4日(日本時間5日)に行われるボクシングの世界スーパーバンタム級主要4団体タイトルマッチの前日計量が3日(同4日)、米ラスベガスで行われ、王者の井上尚弥(32=大橋)がクリアした。

 挑戦者のWBA世界同級1位のラモン・カルデナス(29=メキシコ)との対戦を控え、井上は55・3キロでパス。約200人のファンが見守る中、4本のチャンピオンベルトを身につけ、カルデナスを静かににらみ合い、闘志をのぞかせた。

 そのまま米スポーツ専門局「ESPN」の生放送ブースにゲスト出演。対戦相手カルデナスの印象を問われると「非常に落ち着いていて、よく仕上がっているなという印象です」とコメントした。

 ラスベガスでは「シンコ・デ・マヨ(5月5日のメキシコの祝日)」に合わせたビッグイベントの一環として行われる一戦。「一つのイベントとして、まったく日本とは別物です」と、異国での試合への特別な感覚を語った。

 これまで4階級を制覇してきた井上だが、さらなる挑戦にも意欲を見せる。「まだまだ強くなりたいという気持ちです」と語り「最終目標として、フェザー級はチャレンジしていきたい」と改めて明言した。

 番組では「フライドチキンをあと少し食べればすぐ(フェザー級)」と冗談を飛ばされて笑顔を見せる場面も。元5階級王者のノニト・ドネア(42=フィリピン)も同番組に出演しており、過去に2度拳を交えたライバルと2度目の対戦となった2022年7月以来、約3年ぶりに再会した。

「彼の試合って、いわゆるヘビー級の強打者みたいな感覚がある。だからすぐに終わる可能性もある。それをみんな期待していたりする。だから彼がリングに上がるだけでワクワクするんだ」と興奮気味のドネアは前回の対戦時と比較。「間違いなく100パーセント成長している。彼は学ぶ力がすごい。多くのチャンピオンはある程度の地位に行くと満足しちゃう。自分もそうなり、負け始めた。でも彼は違う。常に上を目指している。何が彼をそこまで突き動かすのだろう? と聞いたくらい。彼はいつだって上を目指し、よくなっている。そのメンタリティは真の戦士だ」と最敬礼した。

 そんなドネアに対し、井上も「ノニトとの試合が自分の中で一つの分岐点となった試合なので、ありがとうと伝えたいです」と感謝を表した。

 ファンとの記念撮影にも気さくに応じた井上は終始穏やかな表情。だが、その瞳にはしっかりとした集中力が宿っていた。