赤沢亮正経済再生相が4月16日午後(日本時間17日朝)、アメリカのトランプ大統領とホワイトハウスで会談した(ベッセント米財務長官同席)。
会談では自動車や鉄鋼・アルミニウム製品などの追加関税の協議を行い、日米首脳が共同発表することをめざすことで一致した。赤沢氏はなかなかの知恵者だ。
<(会談後、赤沢氏は)記者団の取材に「(自身は)格下も格下なので話をしてくれたことは本当に感謝している」と語った。サプライズで交渉の場に参戦したトランプ氏を持ち上げた格好だが、野党からは「へりくだったことは言わない方がいい」などと疑問視する声が出ている。/立憲民主党の野田佳彦代表は18日の記者会見で「国を背負って交渉をするという意味では、何するものぞという気迫を示してほしかった」と苦言を呈した。共産党の山添拓政策委員長も会見で「格下どころか、むしろ対等、平等な条約関係や2国間関係の下ではっきり物を言うというのが当然だ」と批判した>(4月18日、共同通信)
野田氏や山添氏の認識は、外交交渉の実態を知らない形式論だ。外交の世界においては、虚勢を張るのではなく、へりくだることで成果を極大化できる場合がある。
トランプ氏から贈られた赤い帽子も赤沢氏は巧みに利用した。
<「メーク・アメリカ・グレート・アゲイン(MAGA、米国を再び偉大に)」をあしらった赤い帽子をかぶって、カメラに向かって両手でグーサイン―。米政府は、日米関税交渉のため16日にホワイトハウスでトランプ米大統領と会談した赤沢亮正経済再生担当相の写真を公開した>(4月20日、共同通信)
赤い帽子に関しても、野党やマスメディアの一部は、トランプ氏に阿(おもね)っていると赤沢氏を批判する。しかし、外国首脳から贈られた帽子をその場でかぶって、記念写真に収まるのは、外交の世界でごく普通の現象だ。物議を醸すような事態ではない。
イエス・キリストはこんなことを言った。
<しかし、あなたがたはそれではいけない。あなたがたの中でいちばん偉い人は、いちばん若い者のようになり、上に立つ人は、仕える者のようになりなさい>(「ルカによる福音書」22章26節)。赤沢氏は、「いちばん若い者」「仕える者」のように振る舞うことによって、トランプ大統領と今後も直接交渉できるというカードを入手した。












