世界に14億人を抱えるローマ・カトリック教会の長、フランシスコ教皇が21日に死去した。88歳だった。バチカン(ローマ教皇庁)が21日、発表した。長期にわたり呼吸器疾患と闘病していた。3日前に涙を流す聖母マリア像が報告されているが生前、フランシスコ教皇は超常現象に厳格な立場を取っていたという。
フランシスコ教皇はアルゼンチン・ブエノスアイレスでホルヘ・マリオ・ベルゴリオとして生まれ、2013年に教皇に選出された。史上初のイエズス会出身、ラテンアメリカ出身の教皇となった。
死去によって、教皇の座が空位になり、後継者を選出しなければならない。死後、特別な事情がない限り、4~6日以内に埋葬されることが定められており、葬儀は死後9日間執り行われる。通常、教皇の死後15~20日の間に、世界各地の枢機卿(現在136人)がバチカンのシスティーナ礼拝堂に集まり、次期教皇を選ぶ〝教皇選挙〟コンクラーベが行われる。
洗礼を受けた男性なら誰でも次期教皇になる資格があるが、14世紀以降、枢機卿しか選ばれていないという。
コンクラーベ期間中、枢機卿たちは沈黙の誓いを立て、外部との接触を禁じられる。無記名投票で3分の2以上の得票を得た候補者が教皇となる。
秘密の投票が続く間、一般の人々が投票の進行状況を把握できる唯一の手段は、システィーナ礼拝堂の煙突から立ち上る煙だけだ。新教皇が選出されると白煙が上がる。選出されなかった場合は黒煙が上がる。
13世紀には、教皇グレゴリウス10世を選出するのに3年かかった。フランシスコ教皇は24時間あまり、5回目の投票で選出された。
そんな中、フランシスコ教皇が亡くなる3日前の18日、聖母マリア像が泣いているのが目撃された。南米メディア「インフォバエ」によると、コロンビアのノルテ・デ・サンタンデール県オカニャ市から5分ほどの町で、伝統的な「7つの言葉」の説教中、悲しみの聖母の像が涙を流し始めたという。その場面は、目撃および撮影され、SNSで拡散した。
SNSユーザーの間で「この日は、主イエス・キリストの受難と死の記念日を記念するほど私たちにとって重要な日です」「奇跡です」「本当に泣いている」など議論を巻き起こした。教皇が亡くなり、その死を予兆していたのではないか、と考える人もいるかもしれない。
しかし、生前、フランシスコ教皇はそのような超常現象に対して冷静な考えだったようだ。
昨年、バチカンは超常現象の公認に対する新しい規則を発表した。「涙を流す聖母マリア像」や「壁に現れるキリストの顔のシミ」など、信者たちが〝奇跡〟とあがめるようなものに対し、バチカンは「信者に害をもたらす危険性が生じたり、カネもうけに利用されたり、信者の支配や虐待に至ったりするなど、デマや詐欺であったことが明らかになっている」と指摘し、〝奇跡〟を公認するにあたり、厳しい基準を設けたのだ。
これまで聖母マリアが人前に現れた事象をバチカンが公認した事例はある。1858年、フランスのルルドにおいて、少女ベルナデッタ・スビルーの目の前に聖母マリアが現れた「ルルドの聖母」。1917年、ポルトガルのファティマにおいて、3人の少女の前に聖母マリアが出現した「ファティマの聖母」。これらは重要な巡礼地となっている。
しかし、昨年、バチカンは「教区の司教も、司教協議会も、教理省も、ある現象が超自然的な起源を持つと宣言することはない。唯一教皇だけが、この意味における手続きを認可することができる」と発表。フランシスコ教皇が公認したものはない。
現在、オカニャ教区は今回の涙を流す聖母マリア像について公式声明を発表していない。













