先日、久しぶりに2軒目のバーへ。酒量を減らしてからバーに行くことはまずなかったが、その日はどうしても飲みたいものがあった。それはウンダーベルクだ。ウンダーベルクは40種類以上の薬草を使用したドイツのリキュールで、ハーブの香りと苦味が魅力。ふだん滅多に飲まない酒だが、この日はやたらウンダーベルクの強烈な苦味を欲していた。
その話を味覚センサーを扱う研究員の方に話すと「ストレスが溜まっているんですね」と言われた。確かにこのところ300ページを超える原稿チェックが2つ重なり、相当なストレスを抱えていた。
しかしなぜ、ストレス過多だと苦いものを欲するのだろう。研究員の方によると「苦味にはストレスを緩和させる効果がある」という。例えばビールの苦味成分の1つであるイソフムロンは自律神経のバランスを整え、イライラや不安感を抑えてくれる。
またコーヒーの苦味成分であるカフェイン、クロロゲン酸は気分のアップダウンを抑え、リラックス感をアップする。製造方法が門外不出のウンダーベルクの苦味成分は不明だが、何かしらの苦味成分が気分を鎮静化してくれたのは事実。しかもストレスで不調だった胃までスッキリした。
苦味は本来、人間を含む動物にとって「毒」と認識される味覚成分。だが人間は年を重ねるうち、苦味もまたおいしさを構成する味覚の1つとして受け入れられるようになる。
余談だが柑橘系ゼリーを作る某メーカーでは、味に奥行を出すため、わざと苦味を加えるところもあるのだそう。確かにただ甘いだけよりも、わずかに苦味を感じたほうがより果実感が増すし、食べ飽きしない。
さて、これを読んでいる皆さんは、今宵何を飲みたいと思うだろうか? 皮つきのレモンが入った生レモンサワー? それともビール? もしカラダと脳が苦味を欲していたら、それは疲れている証拠。うまい酒をほどほどに飲んで、ストレスを解消しよう。












