日本のエース候補が名将の〝不吉な予言〟を振り払った――。2026年北中米W杯アジア最終予選に臨んでいる森保ジャパンは、世界最速で8大会連続となる本大会切符を獲得。24日には、次戦となるサウジアラビア戦(25日、埼玉)に向けて調整した。ここまで日本代表をけん引してきた一人がMF三笘薫(27=ブライトン)だが、元日本代表監督の岡田武史氏(68)は急失速の懸念を指摘していた。それでも三笘は不安を見事に払しょく。さらに進化した姿を見せつけている。

 天才ドリブラーが森保ジャパンを再び世界の舞台へと導いた。ここまで最終予選全7試合に先発して、1得点3アシスト。左サイドから自慢のドリブル突破を武器に何度も好機を演出し、日本の最高戦力であることを改めて証明した。

 しかし2021年11月に、カタールW杯アジア最終予選で三笘が日本代表デビューを果たした当時、不安もささやかれていた。2度のW杯指揮を経験した岡田氏は同予選のゲスト解説を務めた動画配信大手「DAZN」の番組内で「スケールの大きな選手が出てきた」などと三笘を絶賛。一方で「でもドリブラーって何年かすると通用しなくなるものなんですよ。出始めはいいんですけどね、何年かすると難しくなるんです」などと持論を展開し、三笘の失速を〝予言〟していた。

 三笘は難しい局面でも自慢の高速ドリブルを武器に一人で打開することができる日本代表のキーマンだ。それだけに敵チームは日本に勝利するため、三笘のプレーを徹底分析し、今後に〝対策〟を施すのは当然の流れ。これまでのような突破力を発揮できなくなると岡田氏はみていたようだ。

 この見解に、岡田氏と30年来の親交があるJクラブ関係者は「一般的にドリブラーは短命か? 岡田さんがそんなこと言っていたの? まあ、端的に言えば、そんなことはないでしょう。長く活躍しているドリブラーもいるし、岡田さんも何か根拠があって言ったわけではないと思いますよ。それに三笘選手も停滞するどころか成長していますから。何年も(イングランド)プレミアリーグでやれているんだから、そこはみんなが評価しないといけないところでは」と語っている。

 実際に三笘はベスト16入りした22年のカタールW杯以降も、ドリブル力を進化させ続けている。特に今季リーグでは7得点3アシストをマーク。2月14日のチェルシー戦では、GKから頭上を越えてきたロングフィードを絶妙トラップと華麗なステップでかわして決める超美技を披露した。このゴールが、リーグ公式の月間最優秀ゴールに選出。世界的な評価を高めている。

 さらにブライトンでの活躍もあって、ポルトガル代表FWクリスチアーノ・ロナウド(40)の所属するサウジアラビア1部アルナスルから移籍金7400万ポンド(約143億6000万円)という超高額オファーが届き、イングランドの名門リバプールやマンチェスター・ユナイテッド、チェルシーなど名だたるビッグクラブも今夏の獲得に向けて熱視線を注いでいるほどだ。

 そんな三笘は北中米W杯アジア最終予選でも活躍。岡田氏の予言は幸いにも的中せず、日本サッカー界にとっても懸念は解消されたといえる。来夏のW杯本大会では、再び華麗なドリブル突破で難敵を撃破し、森保ジャパンを世界の頂点ヘと導いてくれるはずだ。