外国人観光客で沸く古都・京都で風変わりなカレーが話題となっている。「死ぬほど美味い 法医学カレー」「一度食べたらやめられない 法中毒カレー」などインパクトあるレトルトカレーシリーズだ。製造しているのは地元の三条室町に店を構える「欧風カレーハウス ガーネッシュ」。元京都府警警部で検視官という異色のキャリアを持つオーナーの吉野明彦氏(64)に聞いた。

 現在展開しているカレーは「京都府立医科大学 大学院医学研究科」シリーズで、「法医学教室 死ぬほど美味い 法医学カレー」「法中毒教室 一度食べたらやめられない 法中毒カレー」「法歯学教室 舌にしびれる美味さ 法歯学カレー」の3種類だ。肉がゴロッと入った欧風カレーをベースに法医学カレーは中辛、法中毒カレーは超激辛、法歯学カレーは限界花椒入りの超激痺れで、辛さが物足りないという心配は無用だ。

 吉野氏のキャリアもカレー同様にパンチが効いている。京都府警に入り、29歳の時には遺体の死因や身元調査を請け負う捜査第一課調査係で検視官補助官を命じられた。ドラマ「臨場」で内野聖陽が演じた倉石検視官の世界で、日々遺体と向き合い、殺人事件や難事件も解決してきた。

 52歳で早期退職。在職中は単身赴任が多く、自炊を極め、中でもカレーには自信があったことで、カレー店を開くことは決めていた。「元警察官のカレー屋よりも、なにか違うものがある方がいい」と上京。約1年間、東京ディズニーランドで案内のキャストや、有名カレー店でサービスやオペレーションを経験した後に満を持して京都でカレー店を開いた。

 開業から11年がたち人気店となっているが、日々進化中だ。「お客さんのリクエストを聞いて、ベースは変わらないが、目新しいものを取り入れていかないといけない」。九条ねぎや京なす、丹波の黒豆など地産の京野菜をトッピングに取り入れ、公益社団法人「京のふるさと産品協会」からはカレー店で唯一の認証も得ている。安定よりも変化を求める流儀はレトルトカレーでの挑戦につながる。

 検視官時代から親交のあった京都府立医科大学大学院・医学研究科法医学教室の池谷博教授が監修し、吉野氏が製造担当での法医学カレーシリーズを一昨年から販売し始めた。

「法医学教室がシャレとして、こういうカレーを監修してくれて、各教室でも作らへんかとなっている。今進めているのは整形外科学教室の牛すじカレー、脳神経外科教室の白みそを入れたキーマカレー、予防医学教室は乳酸菌を入れた薬膳カレー、小児科教室は子供でも辛くなく食べられ、動物の型抜きにしたにんじんやハンバーグを入れたカレー。全科全教室のコンプリートボックスにしたい」とアイデアは尽きない。

 味のレパートリーは無限大で、店頭に立ちながら美味を追求する日々を送っている。