電撃昇格は吉か凶か――。F1レーシングブルズの角田裕毅(24)に、次戦の日本グランプリ(GP=4月6日決勝)から親チームのレッドブルへ緊急昇格する可能性が急浮上。英誌「オートスポーツ」などが報じた。23日の中国GP決勝では戦略ミスと不運が相次ぎ19位に終わったが、開幕から速さは証明済み。大不振のリアム・ローソンに代わって強豪入りが現実味を帯びてきた。モータースポーツジャーナリストの小倉茂徳氏(62)は昇格実現の場合、期待とともに不安も示した。

 角田は9番手スタートから一時は7位まで順位を上げたが、チームの2ストップ作戦が裏目に出て大きく順位を下げる。最終盤に他チームのタイヤ消耗が出てくるタイミングで一発逆転を狙ったが、追い上げ始めたタイミングでまさかのアクシデントが発生。直線でカルロス・サインツ(ウィリアムズ)の背後につけた瞬間、フロントウイングの一部が突然大きく破損して外れてしまった。これで事実上レースを終え、完走こそしたが19位に沈んだ。

 角田を巡っては、開幕戦オーストラリアGPでも明らかな戦略ミスで順位を大きく下げる結果に。チームが角田の足を引っ張る格好となっており、小倉氏は「車はトップ10で戦える性能になってきているが、チームとしてもう少しうまく戦略面を判断できるようにならないと。今回はまた違う課題が出てしまった」とレーシングブルズに苦言を呈した。フロントウイングの破損も原因を特定できておらず、レース後にローラン・メキース代表は「壊れた理由を正確に調査する」と語るにとどめた。

 無念の結果に終わったが、角田自身は開幕から好調。22日の中国GPスプリント決勝では6位躍進で今季初入賞を果たし、前戦のオーストラリアGPでも予選でフェラーリ2台を上回る5番手とインパクトを残している。

 そしてこの日のレース後には、F1界で権威のあるオートスポーツ誌が「レッドブル、日本GPでローソンと角田の即時交代を検討」と報道。角田の電撃昇格が一気に現実味を帯びてきた。

 ではレッドブルに昇格した場合、角田は活躍できるのか。小倉氏はまず「角田選手の車の好みは(マックス)フェルスタッペンと同じ。短期間で対応できるかもしれない」。エース仕様に開発されているレッドブルのマシンとの相性の良さは、メリットになると指摘する。

 一方で「マイナスの点で言うと、今のレッドブルのマシンはフェルスタッペンでも難しい。角田選手が不慣れで乗りこなせないと『ローソンと変わらないじゃん』となってしまう」と今季マシンの操作性への不安を強調。さらに「レッドブルはフェルスタッペンのチーム。そこに入った時に、扱いが二の次、三の次にされてしまう」と2番手ドライバーとしての難しさもある。そうした点を踏まえて「ローソンの二の舞いになってしまう可能性もある。手放しでは喜べない」と懸念を口にした。

 去就問題も絡み、凱旋となる鈴鹿の舞台ではサーキット内外で角田が大きな脚光を浴びそうだ。