元大関が最初の関門を難なく乗り越えた。大相撲春場所8日目(16日、大阪府立体育会館)、大関経験者の三段目朝乃山(31=高砂)が三段目小城ノ浜(30=出羽海)を力強く寄り切って4連勝。無傷で勝ち越しを決めた。取組後は「自分の中では通過点だと思う。ここからが大事な勝負」と気持ちを引き締めた。
これまで4番の相撲については「しっかり前に出る気持ちで動けている」と振り返り「初日だけではなくて4番、緊張しています。緊張感の中で相撲を取れる喜びと、周りの方々に感謝の気持ち。声援をたくさんいただいてますので、それを力に変えて一番一番、取り組んでいる。全勝の期待? そう言われてもおかしくない。期待に応えられるように頑張りたい」と全勝優勝を見据えた。
昨年7月の名古屋場所で左ヒザ前十字靭帯を断裂し、手術を受けて長期休場。復帰の土俵は、ケガの恐怖との闘いでもある。「ケガで今回、落ちたので。思い出したくない相撲もある。ああいうのは記憶に残っている。取組の最中に恐怖感がなくなるぐらい前に進みたい。夢には出てこないけど、動画とかに残っているので。ああならないように、取り組んでいかないといけない」と克服を誓った。
同じ北陸出身で元幕内の幕下炎鵬(30=伊勢ヶ浜)の存在も励みになっている。炎鵬は首の大ケガで序ノ口まで転落。長期休場を経て、関取復帰を目指している。「炎鵬も、たぶん僕のヒザよりひどい首のケガだと思う。序の口から復帰したので、僕もまだまだやれるんじゃないかという気持ち。これからもし誰か力士がケガをしたら、お手本になるように治せれば」と完全復活への思いを口にした。
そのためにも、ここで足踏みをするわけにはいかない。朝乃山は「今場所は復帰の場所。これからどんどん本場所を重ねて(関取として)15日間相撲を取れるようになりたい」と意気込んだ。












