ドナルド・トランプ米大統領が、アフリカ南部の小国レソトに「侮辱的発言」を放ち、同国を支援しているヘンリー王子と新たな対立が起きるのではないかと懸念されている。英紙ミラーが6日、報じた。

 トランプ氏は4日の米議会で共同演説を行い、その中で連邦政府の財政赤字を削減するため、米国の財政援助から削減したプログラムを列挙した。

 その中でトランプ氏は対外援助の大幅削減を正当化する際、過去のプロジェクトではレソトでの性的少数者(LGBTQI+)支援に800万ドル(約12億円)を拠出したと主張。「誰も聞いたことがない国だ」と嘲笑すると、共和党員らの間では笑いが起きた。

 レソトは英国と同じ立憲君主制国家で、南アフリカに囲まれた人口230万人の小さな王国。ヘンリー王子は19歳のときに初めてレソトを訪れ、それ以来何度も同国を訪問している。またレソトの現国王レツィエ3世の弟であるシーイソ王子とは親しい間柄で、2人は2006年に慈善団体「センテバレ」を設立している。この組織は、レソトの地元コミュニティと草の根レベルで協力し、HIV/エイズに感染した若者を支援している。

 それだけに今回のトランプ氏の発言は、レソトと深いつながりを持つハリー王子を激怒させた可能性もある。トランプ氏は昨年、ヘンリー王子がビザ申請書に薬物使用について嘘を書いていたことが発覚した場合「適切な措置」を取ると直接警告していたが、ヘンリー王子がそうした行動を取ったことを示す証拠は今のところ何もない。

 この発言を受けたヘンリー王子は、ヘンリー王子はロサンゼルスのアップフロントサミットに突然現れ「基本的な道徳や共感が権力と支配のために放棄された時、何十億もの人々が有害な影響を経験している」と語った。

 さらに王子は「今こそ、政治からテクノロジーまで、あらゆる分野のリーダーシップの不調が、何百万、いや何十億という人々に悪影響を及ぼす可能性があることを話し合う絶好の機会だ」と発言し、レソトを嘲笑したトランプ氏を暗に批判した。ビザ申請問題がこう着する現在、トランプ氏とヘンリー王子の間に新たな火種が生じるかもしれない。