オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第228回は「ゲドウさん」だ。

 主に山にすんでいる動物に憑依する憑き物の一種である。サルやシカ、時にはウサギに憑依し、憑かれた動物は性質が荒くなり、血を滴らせながら他の動物にかみつくと言われている。かまれた他の動物は、同じように「ゲドウさん」に取り憑かれてしまう。

 目撃者によると、山で友人と一緒に遊んでいたところ、血をたらしながら2本足で歩くウサギがいたという。ウサギの目は完全にイッており、草をかき分けながら自分たちの方に寄ってくる。あまりの恐怖のため、一目散に逃げ出した。

 幸い、ウサギは追ってくることなく、2人は村人に助けられた。しかし、何度も「ゲドウさんに、かみつかれてはいないか?」と確認され、数日間は隔離されて過ごすことになった。

 そのため、同級生からは「ゲドウ」というあだ名をつけられて、悔しい思いをしたという。

 これらの事実から推測すると、ゲドウさんは肉体接触により、感染する病原体と思われる。しかも、主に哺乳類を中心に感染、伝播するのではないかと推察される。

 似た妖怪に「ヒサル」「ヒサルキ」「キヒサル」「ヒヒサル」が報告されている。「キンキンさん」「キンキラさん」も関連あるのではないだろうか。

 なお、山中において、皮だけのサルが発見されたり、目玉のない(あるいは目が白濁している)サルが目撃されたりしているが、これらも「ヒサル」との関連が指摘されている。