オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第223回は「フィンガーさん」だ。
その名前の通り、指そのものの形状をした妖怪である。それゆえに「フィンガーさん」という名前がついた。指だけで踊りを演じたり、壁から垂直に生えていたりする。
ある家の仏間に出現したらしく、なぜかその部屋にしか出ない。家族に見せるため、その部屋から強引に持ちだそうとしたところ、消失してしまい、いつの間にか仏間に戻ってしまった。
このように、肉体の一部分だけが独立して、妖怪化(幽霊化)してしまうことはまれにある。
漫画のキャラクターならば、週刊少年漫画誌「週刊少年チャンピオン」に連載されていた人気キャラクター「手っちゃん」がその代表的な存在であろう。この手っちゃんは文字通り腕だけの存在であり、家族の1人として、さまざまなエピソードを繰り広げる話であった。
あとテレビアニメの「天才バカボン」のトラウマエピソードに、手しか存在しない3人一家が出演している。結局、最後に腕以外を見るために、バカボンのパパが放火してしまい、家族は全員焼け死んでしまった。もちろん、火事現場からは、家族3人分の腕の骨しか発見されなかった。このアニメを見た当時、トラウマになったほど上質なホラーであった。
ほかに実話怪談としては、髪の毛をサラサラと左右にふる幽霊や、足だけが移動していく話などがある。以前、筆者が滋賀県八日市のまちおこしを手伝った時に、ある住職から興味深い話を聞いた。ある家が壁を塗り直した。塗っている途中で土が足りなくなった。そこで近所の寺の墓場の土を使うことにした。見事、壁は完成したのだが。それ以来、腕だけの幽霊が現れるようになった。墓場の土を使ったからである。












