オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第227回は「カカシの神様」だ。
田んぼに立たされているカカシが、神様扱いされることがあるという。ある少年が田んぼの脇の畔道を歩いている時に、奇妙なものに目が行った。ピンク色の服を着た人間が田んぼの中に立っているのだ。
「おかしいなぁ。まだ田植えには早いなぁ」と不思議に思った。
その人間は、両手を大きく広げて上下に振っている。しかも、一本足でぴょんぴょんと飛んでくる。「あれはなんだろう。人間じゃないなぁ」と思って逃げようとした。
だが、全く体が硬直して動かない。やがて、そのピンク色の服を着た奇妙な人間は、少年の近くまでやってくると、にっこり笑った。少年は、そのまま気を失ってしまった。
すると次の瞬間、自宅で布団に寝かされている自分に気がついた。「あれ? 僕はどうなったのぉ」と少年は驚いた。近所の人が偶然にも近くを通りがかり、自宅まで運んでくれたというのだ。布団のそばでは、祖父母や親、僧侶などが座っている。1時間ほどお経を読まれた。少年は幸いにも助かった。
祖母の話によると、この村には「カカシの神様」が祀られており、時々気に入った子供をさらってしまうのだという。さらわれた子供はカカシとなって、一生泥の中で暮らすのだといわれている。
新潟県などでは「案山子様」と呼ばれており、神様に近いものとして扱われている。鳥獣から農作物を守ってくれるカカシは、神様として農村では崇拝されるのだ。
また、この話を元ネタとして、都市伝説における「くねくね」などが生まれたのではないかと推測できる。












