藤川球児監督(44)率いる新生阪神は春季沖縄キャンプ(宜野座)の日程を順調に消化し続けている。「ケガなく。健康に」のフレーズを繰り返し説き続けている指揮官が今、最も腐心しているのは選手たちの厳重なコンディション管理だ。第4クール最終日となった18日の昼下がり。久々となる屋外グラウンドに飛び出した虎のヤンチャ小僧を、火の玉男はやっぱり見逃さなかった――。
「何しに出てきたんだ? 許可はもらってんのか?」。声の主は他ならぬ藤川監督。その先にいたのは、腰部の張りを訴え12日から別メニュー調整を続けてきた森下翔太外野手(24)だ。
1週間もの間、室内練習場での調整を余儀なくされてきた背番号1だけに、久々のメイングラウンド練習を目前にウキウキ気分を隠すことはできていなかった。三塁ベンチ付近で筒井外野守備走塁コーチに付き添われ、目をキラキラさせながらストレッチに取り組んでいるところを目撃した指揮官は、芝の上に飛び出そうとする直前の背番号1にしっかりとクギを刺した格好だ。
〝治りかけ〟の状態で無理をしてしまい、負傷をさらに悪化させてしまう――。そんなことにでもなれば、元のもくあみ。新打線の4番候補として位置づけている重要人物だけに、まずは無事に開幕を迎えさせることが最優先だ。
現役時代の藤川監督はチームの守護神として、最盛期は計8シーズンで488試合登板という驚異的なペースでマウンドに立ち続けた経歴の持ち主。無理もたたり結果的に右ヒジにメスを入れざるを得ない状況となり、完全復活までには長い歳月を要した。負傷の怖さを誰よりも知るだけに、キャンプ地での予防策は隅々まで張り巡らされている。昨秋の安芸キャンプに引き続き、投手陣が午後に「おかわりブルペン」を行うことも原則禁止のまま。コーチ、トレーナーらとともに目を光らせながら、選手たちの〝頑張り過ぎ〟を抑制している。
結局、右翼の守備位置で打撃練習の打球を処理する「打球捕」のみを行った森下は、腹八分目といった表情で球場から引き揚げた。藤本総合コーチも「アイツはすぐにスイッチが入ってしまうから(笑い)。あんなに走り回りやがって」と苦笑い。コーチ陣の事前許可があったとはいえ、藤川監督のひと言がなければ、森下はさらに際限なくハッスルしていたかもしれない。背番号22は今も昔も、虎の優秀な「ストッパー」として機能している。













