【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#576】ソアイ島は、スコットランド北部にあるイギリス領のセント・キルダ諸島の一つである。島の名前は「羊の島」を意味しており、ソアイ種と呼ばれる羊が紀元前より生息していることでも知られている。また、古くから漁もさかんに行われており、そのような漁師たちによって「ソアイ島のシー・モンスター」と呼ばれる巨大な怪物の伝説が語り継がれているのだ。
ソアイ島のシー・モンスターは、船を襲って沈めたり、漁網を破壊したりする恐ろしい存在と言われる一方、海の生物を守り、漁師たちへ豊漁をもたらす女神のような存在であるとも信じられているという。
目撃情報によると、シー・モンスターはツノのような突起のある頭部や尾のようなものなどが目撃されており、体長は10メートルを超えるほどに大きく、体色は黒もしくは暗褐色、形状は蛇や亀に似ているというのだ。
最初の目撃情報と言われるのは1949年。漁師が不審な動きをしている何かを海面に発見し、一度は接近を試みたものの怖くなって逃げてしまった。この時、明確な姿は確認されていないが、波紋を起こして水面下へ潜る何らかの存在の目撃は後年たびたび報告されているため、これもシー・モンスターを目撃したものではないかと考えられている。
1959年には、何らかの巨大な生物の泳ぐ様子が目撃されており、長く伸びた緑色の体に細長い頭部、体表には蛇のようなウロコ模様も見られたのだという。さらにその翌年には、亀のような頭部に横長の目、丸い顔、閉じると横長になる口に筒状の首を持つという怪物の報告があり、おまけに背中はコブ状で中央にはのこぎりの歯のようなトゲが連なっていたというのだ。
2000年代に入っても漁師たちによる目撃が多く報告されており、その特徴はいずれも非常によく似ていることから、同じ生物を目撃しているということ、そしてそのような生物が実際に存在しているということへの信ぴょう性が強まることとなった。
また、シー・モンスターは撮影もなされたという情報がある。2001年には漁師が長さ10メートル以上の触手に鳥のクチバシのような形の頭部と共に尾のようなものを目撃。そして2006年には観光客が体長15メートルほどの細長い体に複数の触手を持った巨大生物の死骸を発見し、それぞれ撮影を行ったのだという。ところが、それらは一つとして公開されてはおらず、残念ながら真相は不明なままだ。
スコットランド周辺の海域は、約3億年前の先史時代から現在に至るまで多様なカメが生息していたということが分かっており、さらに古代ガメの中には頭部に突起したツノのようなものがあった種類もいたと言われている。
直接的な証拠はないものの、ソアイ島のシー・モンスターの正体は古代ガメの生き残りではないかとする説が唱えられている。
特に有力視されているのは、白亜紀後期に生息していた巨大ガメ・アーケロンだ。アーケロンは全長約4メートル、甲長2・2メートルに全幅5メートル弱、体重は2トンもあったと言われているが、その容姿はシー・モンスターとよく似ているのだという。ただし、アーケロンには頭部に突起がないため、全く未知の新種の大ガメではないかとの説も浮上している。白亜紀より生き残った生物がシー・モンスターの正体なのだろうか。












