【今日もひとりで謎喫茶「喫茶ランドリー」】お疲れさまです。ポケットにティッシュを入れたまま洗濯機を回し、1人ため息をついた夜が何度もあるぼっち記者です。一風変わった体験ができる喫茶店に潜入する企画「今日もひとりで謎喫茶」、今回は“洗濯ができるカフェ”「喫茶ランドリー」さんを取材しました…!

オープンで温かみがある空間でした
オープンで温かみがある空間でした

「喫茶ランドリー」さんは東京・墨田区にある文字通り“ランドリー”のある喫茶店。外見からしてとてもおしゃれなカフェなのですが、ドアを開けて店内を見渡すと、確かにお店の一角に洗濯機がありました…。

 この特徴的な一角は「まちの家事室」と呼ばれており、正しくはスウェーデン製の乾燥機と洗濯機が3つずつ、上下に並んでいる空間です。実際には「コインランドリー」ではなく、レジで規定の料金を払って使う形式なのだとか。カフェには従業員の方が常駐していますから、洗濯物を入れたままランドリーを離れても安心。セキュリティーの面でも他とは一線を画しているわけですね。

リノベ前から穴が開いていたとのこと
リノベ前から穴が開いていたとのこと

 さらに「家事室」という名前の通り、ミシンやアイロンが常備されているのも特徴の1つ。お子さんの“入園”の前に、ここで作業するというお母さんもいらっしゃるといいますから、まさしく誰にとってもうれしく優しいスペースということなのでしょう(うれしいという観点では、洗剤類が無料で使えるという点もしれっと紹介させていただきます)。

ご案内いただいたスタッフのさおりさん
ご案内いただいたスタッフのさおりさん

 もちろんランドリーが大きな特徴ではありますが、モグラ席と呼ばれる一段地下に下りたスペースも紹介しないわけにはいきません。そもそもこちらの店舗は、元々手袋の梱包をする作業所だった場所。この半地下の席も「元から開いていた穴」をそのままリノベーションした結果できたのだと教えていただきました。オープン前の写真も拝見したのですが、確かに家具や設備がないスペースの中に、れっきとした穴が! 

 対して現在の店内は、建築学科の大学生が提供してくれたというテーブルやオーナーが持ち込んだ書籍、温かみのある照明の数々でとにかくにぎやか。工事中と比較すると、なんだか隔世の感がありますね…。

 こちらを含む各地の喫茶ランドリーを経営されている田中元子社長は、「1階づくりはまちづくり」というコンセプトでビルの1階に喫茶ランドリーをオープンされたそう。歩いている人の視界に自然に入ってくる1階を起点に、人と人とのつながりやコミュニティーは活性化していくという発想で活動されているのだとか。

 イメージとしては「私設の公民館」を掲げていらっしゃるため、このお店も老若男女どなたでも入店できるとのこと。お子さま連れやペット連れでも利用できるというから驚きです。確かに小さいお子さんがいらっしゃる方は、純喫茶然としたお店にはどうしても入店しづらいもの。ママ友やパパ友とお茶を飲みながら過ごすのにもピッタリなのでしょう(当然ながら“おひとりさま”にもありがたいです…!)。

 取材当日もパソコンでお仕事をされている方、落ち着いた様子で勉強をされている方、ふらふら取材に来て後述のケーキを食べる私、といったように、お客さんがそれぞれのテンションで過ごしていましたよ。

 このおおらかさやゆったりとした雰囲気、実は勤務体系にも流れています。何とこちらのお店、スタッフ側にマニュアルはないというのです。当日ご対応いただいたスタッフのさおりさんも、元々最初期のお客さんからアルバイトスタッフへと転身された方。さおりさんの趣味のお菓子作りをそのまま反映させ、結果的にメニューが増えていったという話も教えていただきました。

カフェメニューも絶品でした!
カフェメニューも絶品でした!

 お店自身も町やお客さんと一緒にゆっくり変わっていくこの雰囲気は、喫茶ランドリー特有の魅力なのかもしれません。ちなみに当日私がいただいたアイスココアと紅茶のパウンドケーキも絶品でした…! 特にケーキはラムの風味がふんわり効いていて、思わずもう1つ頼みたくなりましたね。

 喫茶ランドリーは単に洗濯ができるお店ではなく、人と人とを優しくつないでいく、ゆったりとした“謎喫茶”でした。皆さんも都会には珍しいオープンな空間で、豊かな時間を過ごしてみるのはいかがですか?

【喫茶ランドリー】都営新宿線・都営大江戸線「森下」駅から徒歩5分。手袋の梱包作業場をリノベーションした、複合型の喫茶店。“ランドリー”の名の通り料金制(400円~)で洗濯機が利用できる他、開かれたスペースで各種ドリンク・フードメニューを楽しむことができる。

HPは【https://kissalaundry.com/honten/】。