【石原結實 病気を吹き飛ばす食図鑑】カニは甲殻類(エビ目カニ亜目)。

 高タンパク、低脂肪、低カロリーなので、生活習慣病(糖尿病、動脈硬化、高血圧、心臓病…)や肥満で悩んでいる人の格好の栄養食だ。

 肉には、グルタミン酸、グリシン、グアニル酸などの甘味成分が含まれ、味を引き立ててくれるので、手を加えず酢醬油で食べるのがベスト。

 カニの内臓には多くの酵素があり、死ぬと酵素群が肉を融解し、そこにバイ菌が付着して腐るので「鮮度が落ちやすい」「食中毒を起こしやすい」という欠点がある。

 ビタミン、ミネラル類としては、ビタミンB群(糖の代謝の促進)、鉄(貧血改善)、亜鉛(強精作用)、カルシウム(骨・歯を強くする)が豊富に含まれる。

 また、コレステロールを下げ、肝臓を強くし、血液をサラサラにして血栓(狭心症、心筋梗塞、脳梗塞…)を防ぐタウリン(含硫アミノ酸)も多く含まれている。

 更に、一種の食物繊維である「キチン・キトサン」が殻に含まれていることは、特筆される。「キチン・キトサン」は腸内の善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌)を増やして、整腸作用を促し、腸内のリンパ球を刺激して、免疫力を増強する。腸内の発ガン物質や有毒物質の排泄を促進する作用もある。

 古来、中国や日本では「カニの殻を弱火で時間をかけてあぶった後、砕いて粉末にしたものをお湯に溶いて飲む」と「腹痛」「腫れもの」によい、という民間療法がある。

 このように霊験あらたかなカニを食べる時は、「カニしておくれ」と言って食べるべし(カニ=堪忍)。

 ◆石原結實(いしはら・ゆうみ)1948年、長崎市生まれ。医学博士。イシハラクリニック院長として漢方薬と自然療法によるユニークな治療法を実践するかたわら、静岡・伊豆でニンジンジュース断食施設の運営を行う。著書は300冊超でベストセラー多数。最新作は「水分の摂りすぎが病気をつくる 日本人が知らない『水毒』の恐怖!」(ビジネス社)。