【今日もひとりで謎喫茶「ナイアガラ」】お世話になっております。地下鉄のエスカレーターが長いと、それだけで少し冒険している気分になる東スポの“ぼっち記者”です。

 一風変わった体験ができる喫茶店を紹介する不定期連載の4回目は、鉄道マニア御用達の歴史ある名店を直撃。様々なグッズに囲まれながら、ひたすらノスタルジックな気分にひたってしまいました…!

 訪問したのは東京・祐天寺(目黒区)にある「ナイアガラ」さん。店内を埋め尽くす鉄道グッズとカレーが有名なお店です。実際にお店の前に到着すると、踏切の警報機が…! その他にも駅名が掲載された看板や、「旅客運賃精算所」「みどりの窓口」等のレトロな看板が店舗の外観を彩っていました。この時点でもかなり面食らってはいたのですが、「B寝台」と書かれたドアを開けて店に入ると、さらに濃密な空間が広がっていました。

店外に鉄道グッズがびっしり
店外に鉄道グッズがびっしり

 食券機の横に運賃の一覧表が鎮座していると思えば、壁には昭和の時代に活躍していたであろう駅名を表記した板がズラリ。そして店舗の奥は機関車に取り付けられていたナンバープレートで埋め尽くされているといったように、どこを見渡しても鉄道、鉄道、鉄道…!という店内だったのです。

券売機と併設された運賃表
券売機と併設された運賃表
鉄道グッズで埋め尽くされた店内
鉄道グッズで埋め尽くされた店内

 各種グッズは国鉄のにおいがムンムンするものばかり。詳しくない私でも雰囲気を感じ取れるのですから、マニアの方にとってはたまらないお店なのでしょう…。

 何といってもカレーが名物ということですので、入店とともに1番人気のカツカレーを注文しました。客席の真横のナンバープレートに目を奪われながら過ごしていると、突如「1番線、カツカレー発車いたします」のアナウンスが。すると座席の横を通る線路の上を、ミニチュアの機関車が注文した品をけん引する形でやってきたのです。汽笛を鳴らしながら運んでくれたことをねぎらいつつお皿を持ち上げると、機関車はそのままバックして厨房に帰っていきました。

名物のカレーはSLに乗って登場
名物のカレーはSLに乗って登場

 カレーの辛さは一番多く注文されているという中辛…失礼しました、こちらの店舗のルールに合わせまして“急行”を選択。実際に一口食べてみると、想像以上にマイルドな味のカレーでした。風味や味の土台にはスパイスを感じますが、小学生でも全く問題なく食べられる優しい辛さでしたね。この懐かしさを感じる味わいと、しっかり形を整えて盛りつけられたライス、鉄道のボックス席をそのまま利用している座席が相まって、「昭和の食堂車」にいるような気分で完食してしまいました。私自身バリバリの平成生まれですし、電車で大した長旅をしたこともないのですが、脳内には確かに海辺の見える車窓が広がっていました…。とにかくノスタルジックな気分でスプーンを動かしていたことは、自信を持ってお伝えできます。

 そして企画が“謎喫茶”ということもあり、ちゃっかりコーヒーフロートも注文した私。再び先ほどの機関車でサクランボの乗ったグラスが運ばれる様子を“激写”した後は、ゆっくりとソフトクリームを溶かしながら、鉄道尽くしの時間を満喫しました。

 こちらのお店の創業は1963年。オーナーであり店の「駅長」として親しまれていた内藤博敏さんが亡くなった後も、店長を交代しながらお店は営業を続けました。現在の清百世店長に客層を聞くと、単に鉄道マニアという方だけでなく、ちびっ子を連れた家族連れも多いのだとか。「カレーを運ぶ機関車」という唯一無二の体験は、別に鉄道好きというわけではないお子さんにも刺さるそうです(ぼっちにもバッチリ刺さりました)。

 さらに来店されたご年配のお客さんから、創業後間もないころのこのお店に親と来た、なんて逸話を教えていただくこともあるのだとか。お店が生んだ人と人とのつながりも、線路よろしくどこまでも続いてほしいものですね。

 そして生前の初代駅長が夢として思い描いていたという世界進出も、最近はインバウンドでやって来た外国人の増加、という形でかないつつあるとのこと。確かに正確で信頼できる鉄道が張り巡らされているということも、日本が世界に誇れる特徴の一つ。その点で「ナイアガラ」はものすごく“日本らしい”空間なのかもしれません…。
 今回訪問した「ナイアガラ」さんは、旅情と鉄道の歩んできた歴史を感じさせる、ロマン満載の謎喫茶でした。ぜひ鉄道に詳しくないという方も、駅長たちの作り上げた貴重で“純度100%”の空間を体験してみてはいかがでしょうか…!

ひっそり「ゆうてんじ」の表記も
ひっそり「ゆうてんじ」の表記も

【ナイアガラ】東急東横線・祐天寺駅から徒歩4分。初代店主が収集した膨大な鉄道グッズコレクションの数々や、注文した商品をミニチュアの機関車が運ぶサービスで人気を集めている。

 公式ホームページは【http://www.niagara-curry.com/】。