柔道の女子日本代表チームが〝主将制〟を導入する。都内の味の素ナショナルトレーニングセンターで行われている柔道の全日本合宿が12日、報道陣に公開された。2021年の東京五輪では男女合わせて史上最多9個のメダルを獲得したニッポン柔道。パリ五輪でもメダルラッシュへの期待が高まる中、女子代表はさらなるチーム強化へ主将制を採用する方針を固めた。その狙いと、気になる人選は――。

 女子チームの合宿は9日から行われており、順調な調整ぶりが際立った。女子代表の増地克之監督(53)は「五輪代表の7つの階級も全て出揃って、本番に向けて気を引き締めてやっていかないといけないと改めて感じた」と意欲を示した。

 パリ五輪の女子チームには、指揮官が「ちょっと記憶にない」という主将制が新たに採用される。増地監督はその意図について「東京五輪と違って、今回は〝アウェー〟での戦いとなる。これまでの国際大会での経験を踏まえた上で、チームとしての結束力を高めてしっかりと戦っていくためにも必要性を感じた」と説明した。

 では、大役を任されるのは誰になるのか。選定基準について増地監督は「しっかりと周りを見ることができる」というポイントを挙げて「今回の合宿で初めて全体で揃うことができた。おそらく、5月にある2回目の全体合宿で決めることになりそう」と今後選考を進めていく考えだ。

 7人の代表選手で最も主将の適性があるのは――。全日本柔道連盟(全柔連)関係者は、その候補として2人の名前を挙げた。

 まずは63キロの高市未来(29=コマツ)だ。2016年リオデジャネイロ、21年東京と2大会連続で五輪に出場中と豊富な経験を持ち、チームのまとめ役として期待がかけられている。

 高市は混合団体で銀メダルを獲得した経験を持っているが、個人戦ではメダルに届いていない。それでも、栄光だけでなく苦労も味わった経験がリーダーとして生きるという。同関係者は「うまくいかなかった経験があるからこそ、分かることもある。年下の選手ともよく会話をしていて、キャプテンにはピッタリ」と太鼓判を押す。

 もう一人は、チーム最年長となる48キロ級の角田夏実(31=SBC湘南美容クリニック)だ。同関係者によると「治療室などでも他の選手としゃべっていたり、話を聞いてあげているのをよく見る」と誰からも頼られる人柄で、一体感を高めるには打ってつけの存在だ。角田は「上下関係はあまりない。(後輩に)頼れるところは頼っていきたい」とチームの雰囲気の良さを強調する。

 東京五輪を上回る快進撃へ、主将の選考は重要な鍵となりそうだ。