【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#557】米オレゴン州リン郡にあるコンサー湖は、ブラックベリーやアザミ、水芭蕉といった多くの植物が生い茂る美しい湖として知られている。しかし、その美しさを持つ一方で、ある奇妙な出来事の舞台になったことがある。

 1960年のある日のこと、ミントを詰め込んだトラックの運転手が湖の近くを走行中に毛むくじゃらの大きな怪物を目撃したのだ。その怪物は、全身が白い毛で覆われており、なんと時速50キロで走行していたトラックと並走し、しかも車体の窓からのぞき込んできたというのである。驚いた運転手がトラックを止めると、その怪物は森の中に走り去って行ったという。

 一大騒動のきっかけとなったのは同年の7月31日の夜。10代の少年たち7人が湖へ散歩に訪れ、うち2人がいたずらで他の仲間たちを驚かせようと草むらに隠れた。仲間たちが通りかかるのを待っていたその時、彼らは背後から奇妙な音がすることに気付いた。音のする方を見てみると、そこには月明かりに照らされて白く光る身長2メートルを超えるほどの怪物が歩み寄ってきていたのだ。

 2人はすぐさま他の仲間に向かって「逃げろ!」と叫んで走り、そのうち近くのヤブの中に身を潜め怪物がそばを横切っていくのを待った。その際、彼らは怪物の後ろ姿を懐中電灯で照らしており、「大きいクマ」のように見えたが、顔はゴリラのようだったと証言した。彼らは帰宅してすぐに保安官へ通報し、少年たちの父親や兄と共に湖へ確かめに戻ったそうだ。

 この事件は、地元ラジオで放送されたことで話題となり、その翌日の夜には200人もの人々が湖に集結して捜索が行われたという。1時間をかけての捜索中、何人かは何者かの視線を感じ、丘の斜面で何かがうずくまっているのを目撃したと報告。そうして、この白い怪物の目撃で、しばらく通報がやむことはなかった。

 毛むくじゃらで巨大であるということ、そして全身が白いという特徴を持っていたことから、この怪物は「ホワイト・ビッグフット」とも呼ばれた。なんとも珍しい存在だが、なんとこのホワイト・ビッグフットが自分の意志を伝えてきたという驚くべき報告もあるのだ。

 ある時、テレパシーでの交信ができると称する地元民が現れ、その怪物と会話を試みたのだという。それによると、相手は怪物と呼ばれることを望まず、宇宙人と呼んでほしいと主張してきたという。さらに何度か交信する中で名前を尋ねたところ、「フリックス」と名乗ったというのである。数多くのUMAがこれまで確認されてきたが、自分の意志を言葉で伝え、なおかつ名前を名乗ったという事例は他に類を見ない。

 多くの目撃者や捜索者そして議論によって騒動が続き、中にはサーカスから逃げ出したヒヒという説も唱えられたものの確証には至らなかった。そして10月も過ぎた頃には、目撃情報も聞かれなくなり騒動は終息していった。

 コンサー湖はUFOが多数目撃されていることでも知られていた場所であった。湖に向かってUFOが降下していったという話もあり、UFOの基地が水中に存在しているのではないかともうわさされていた。

 ビッグフットは一説に宇宙人のペット、あるいは宇宙人そのものではないかという説もあるが、ホワイト・ビッグフットのフリックスが、自身を宇宙人と呼ぶよう主張していたことは、なんとも興味深い話である。