皆さんは「長寿の動物」と言ったら何を想像するだろうか。伝説上で長寿とされて

いるカメは実際に長生きだ。カメの中でも大きいゾウガメは100歳を超える個体も多く、250歳を超えた可能性がある個体もいる。

 ゾウガメでなくゾウも長生きだ。60歳から80歳が寿命だといわれ、一昔前の人間と同じくらい生きている。そう、人間も含めて哺乳類、特に体の大きなものは寿命が長い。

 体の大きな哺乳類といえばクジラ。ホッキョククジラは90歳で生殖可能で、150〜200歳くらいまで生きるのではないかとの指摘があり、研究が進んでいる。

 海洋生物ではカイメンは1500年以上生きている種がいる。おいしいウニも200歳を超えていたり、395歳のニシオンデンザメもいる。成長が遅いと長生きする傾向にある。

 我々に身近な存在としては貝が長寿の生物として知られているのだ。最近はラーメンのダシとしても使われることで名前が広まっているホンビノス貝。この仲間であるアイスランド貝の中に400〜500年も生きている個体が発見された。

 日本の食卓でもなじみのある生物だが、ひょっとしたら長生きした貝を食べているかもしれない。

 そんな貝の怪物のひとつに「蜃」がいる。蜃気楼でおなじみの文字で「しん」と読むが、漫画の「NARUTO」で「おおはまぐり」として出てきたので、どのような怪物か分かっている人もいるのではないだろうか。

 妖怪や霊獣の一種で、海上に気を吐いて楼閣を作り出す力を持っている。姿は巨大なハマグリという説と「龍」の一種だという説がある。ハマグリの姿であれば水管から潮を吐くように、霧にも似た幻を吐いている様子が想像できる。

 蜃気楼でおなじみと書いたが実は逆で、蜃が先にいて、蜃が気を吐いて作り出す楼閣という意味で蜃気楼という言葉ができたのだ。

 龍とハマグリが混同してしまった経緯には諸説あるが、そもそもヘビとキジが交わったものが蜃になるという伝説もある。

 中国や日本では長生きしたヘビが龍へと「成る」伝説があるが、昔の人たちも貝が長寿の生物であることが分かっていたのだろうか。それにしても龍や獅子や麒麟と並ぶ霊獣として貝を選ぶセンスはなかなか面白いものである。