専門家から大胆な提案がなされた。先月1日に発生した能登半島地震から1か月経過したことを受け、神戸大学名誉教授で日本災害復興学会顧問の室﨑益輝氏が8日、「前例のない災害に前例のない対応を」をテーマに都内の日本記者クラブで会見を行った。

 2009年度から石川県の災害危機管理アドバイザーを務める室﨑氏は「今までの防災対策では絶対にダメなんです。まさに今回の能登半島地震は我々に厳しく突き付けた」と指摘した。

 07年に発生した能登半島地震の被災状況はマグニチュード6・9、震度6、断層20km、火災0件、死者数1人、全壊数686棟、避難者2624人だった。対して今回はマグニチュード7・6、震度7、断層150km、火災17件、死者数240人以上、全壊数5000棟、避難者3万3350人と内陸地震としては最大級の前例のない地震だった。

 能登復興の道のりで重要となるのが瓦礫の撤去と家屋の解体。「金沢などに広域避難している人たちが戻って来られるようするには、私の希望は3年以内。そうすると瓦礫の撤去とか家屋の解体は2年で終わらないといけない」としたが、現実的には厳しい状況だ。

 仮に復興の道のりがうまくいったとしても、「少なくとも人口は半分になります。(04年に新潟県中越地震で被災し、全村避難した)山古志でも半分です。人口が3分1になると能登の地域社会は持たない。農業、漁業が衰退する」と過酷な未来を予想する。

 地震に伴い25年大阪・関西万博の延期、中止を求める声が一部で出ている。室﨑氏は「個人的には大阪万博は延ばしてほしいと思う。日本のいろんな公共事業は、この2年間ストップしてほしい。そのストップした分を全部、能登に集中させる。能登以外の地域の人が我慢するというのが最大の支援だと思う」と大胆な提案をした。