26日から始まった今国会で、警察庁が猟銃のハーフライフル所持許可基準をライフルと同等の「猟銃所持歴10年以上」に限定する銃刀法改正案を提出することについて、狩猟関係者から猛反発の声が上がっている。

 近年、日本各地ではクマやシカ、イノシシといった大型獣による被害が多発。特に2023年はクマ被害が過去最悪を更新するほど深刻化している。一方で有害鳥獣駆除の捕獲従事者について各自治体から不足を指摘する声が上がっており、新規の捕獲従事者育成が急務とされている。

 そんななか持ち上がったハーフライフルを規制する銃刀法改正案。昨年5月に長野県で警察官ら4人がハーフライフルで殺害された事件が背景にあると言われるが、狩猟関係者が反対する理由は何なのか?

「クマなどの大型獣を狙うには射程が長いライフルが必要だが、例外を除けば猟銃の所持許可を受けてから10年間は所持できない。その代用としてライフルより射程が短いハーフライフルは1年目から所持できるため、歴の浅い捕獲従事者たちが使用している。しかし、法案が通れば不足する捕獲従事者がさらに減るばかりか、大型獣を撃てる捕獲従事者が10年は育たなくなってしまう」(北海道猟友会砂川支部長の池上治男氏)

 近年のクマ被害急増を受けて、国はヒグマやツキノワグマをニホンジカやイノシシと同じ指定管理鳥獣にして有害駆除による頭数管理を行う流れができつつあるが、今回のハーフライフル規制は捕獲従事者を減らす可能性があり逆行する法案だ。また、捕獲従事者は60代以上が多く高齢化して若返りが急がれているが、もし法案が可決して新規捕獲従事者が育たない“空白の10年間”が発生すれば、各自治体の有害鳥獣駆除に大きな影を落とすことになるだろう。

 こうした事情もあって反対の声は広がりを見せ、オンライン署名活動まで行われるようになった。その発起人で自らもハーフライフルで有害鳥獣駆除にあたる中村憲昭弁護士は、「どうも昨年の長野県の事件でハーフライフルが使われたからと、スケープゴートにされてる感がある。対人の殺傷能力という意味では、近距離から発射される散弾銃も同様に危険だが、なぜ散弾銃はよくてハーフライフルがダメなのか。重要な議論が抜けていて規制する根拠が見えてこない」と、法案を疑問視した。

 昨年の長野県の事件は確かに痛ましいものだった。しかし、犯行にハーフライフルが使用されたからといって規制をするのは、あまりにも乱暴すぎるというのが狩猟関係者たちの本音だろう。