秋の行楽シーズン本番を迎え、日本全国で野生動物が各地に出没している。秋田市では山から川沿いに下りて迷い込んだとみられるツキノワグマが相次いで目撃されて人身被害も発生。千葉市では25日にイノシシが出没し、通行人や刺股で捕獲しようとした警官2人がかまれてケガをした。
どちらも市街地に出没した例だが、こうした野生動物との遭遇リスクは山の行楽地に行くほど高まる。そんななかで最も遭遇リスクが高いのがシカだ。日本は北海道から本州、九州などにニホンジカが生息しているが、近年、生息数を急激に増やしている。2018年の環境省のデータでは、イノシシが1978年から1・9倍に増えているのに対し、ニホンジカは2・7倍に増加。行楽地をドライブ中に交通事故も増えている。
観光地として有名な奈良公園のシカのように、一見、おとなしそうに見えるニホンジカだが、9~11月の繁殖期の雄は特に注意が必要だ。雄のニホンジカはこの時期になると発情して気が荒くなり、雄同士で立派な枝角を突き合わせてケンカをする。ここへ人が不用意に近づくと突然襲いかかってくることもあり危険だ。特に角研ぎして鋭くなった先端は、人の体も簡単に突き抜く凶器になり得る。
実際、25日には島根県にあるニホンジカの飼育施設で、作業のためオリに入った職員が服をボロボロにされ、大量出血して死亡する事故が発生。飼育していた雄のニホンジカの角には血が付着していた。こうした事故を防ぐため、奈良公園では江戸時代から伝統行事「鹿の角きり」として、毎年秋に雄のシカをつかまえて角を切り落とす作業を行っているが、野生下のニホンジカとなれば話は別だ。
雄は繁殖期に縄張りを形成する。基本的には臆病な性格だが、行楽地などで人になれている場合は大胆な性格になることもある。登山やハイキングなどで山に入る場合は、市販の忌避グッズを持つことも考えた方がよさそうだ。












