大器に足りないものとは? 大相撲初場所11日目(24日、東京・両国国技館)、新入幕の大の里(23=二所ノ関)が大関豊昇龍(24=立浪)に3敗目。前半の快進撃から一転、2日連続で役力士の壁にはね返された。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(39=本紙評論家)は上位陣との経験値の違いを指摘する一方で、その実力を高く評価。遠くない未来の横綱大関撃破を予測した。
注目の大器が、大関初挑戦で完敗を喫した。大の里は右を差して半身の体勢のまま強引に前に出たが、豊昇龍の下手投げで土俵に転がされた。取組後は「相手が格上だったので…。自分の持ち味を出し切れなかった」と看板力士の強さを実感した様子。「いい経験ができている。自分の力がどこまで通用するか。思い切ってやるだけ」と気持ちを切り替えた。
秀ノ山親方は「大の里は攻め急いでしまったところがある。強引に出るのではなく、しゃくって(相手を揺さぶる動きで)胸を合わすとか、流れの中で勝つチャンスはあった。体の寄せ方が甘ければ、その隙を突かれる。立ち合いの厳しさ、かいなの返し、土俵際の詰め…。上位では勝負の一瞬一瞬に厳しさがある。そのことを肌で感じたのでは」と指摘する。
10日目には、大関昇進を目指す関脇琴ノ若(佐渡ヶ嶽)に一方的に寄り切られた。同じ幕内でも、前半と後半では土俵上の空気が一変。その中で、新入幕力士が自分の力を出し切ることは至難の業だ。秀ノ山親方は「自分の時もそうだったけど、上位で当たるのはあこがれの力士だったり、テレビで見ていた人ばかり。そこに挑戦できるうれしさがある半面、独特の雰囲気で肩に力が入ってしまう」と自身の経験を振り返った。
一方で、秀ノ山親方は大の里が9日目まで見せていた相撲内容を高く評価。その上で「遠藤や明生といった実力者を一発で持っていくような相撲を見ると、末恐ろしいなと感じる。やはり、上位との一番の違いは経験値。勝負に対する厳しさや土俵の雰囲気に慣れてくれば、持っている力を発揮できるようになるはず。新入幕から経験できたことは大きいし、そう遠くないうちに横綱や大関を倒すかもしれない」と期待を寄せた。
ここから大の里は幕内デビューの場所をどう締めくくるのか。残り4日間の戦いからも目が離せない。












