角界のサラブレッドの原点とは――。大相撲初場所10日目(23日、東京・両国国技館)、大関とりに挑む関脇琴ノ若(26=佐渡ヶ嶽)が新入幕の大の里(23=二所ノ関)を一方的に寄り切る完勝で9勝目(1敗)。優勝争いで単独トップに躍り出た。小学時代の恩師である「柏相撲少年団」の永井明慶代表(41)が取材に応じ、琴ノ若が幼少期に見せていた〝勝負師のDNA〟を証言した。
大関候補と新入幕の大器による1敗対決は、琴ノ若に軍配が上がった。優勝争いでも単独首位に浮上。かねて目標にしてきた大関昇進だけではなく、初優勝との同時達成も現実味を帯びてきた。
取組後の琴ノ若は「自分の相撲に集中できた。自分のやるべきことをやって、出し切った」と充実の表情。単独首位には「星数を気にしても仕方ない。強い気持ち、負けない気持ちで明日の一番をしっかり取るだけ」と気を引き締めた。
祖父は元横綱琴桜、元関脇琴ノ若の佐渡ヶ嶽親方を父に持つ正真正銘の〝サラブレッド〟。昨年は1年間を通じて負け越しがなく、三役の座を守り通した。抜群の安定感を誇り、看板力士の座は目前だ。
その琴ノ若が小学5、6年時に指導を受けたのが永井氏。恩師は現在の活躍ぶりについて「予想以上の大飛躍。(当時は)普通の子より体が大きくて勝つことは多かったけど、特別強いというイメージは正直あまりなかった」と急成長ぶりに目を細めている。
永井氏によると、真面目で温厚な人柄は少年時代から変わらない。「おっとりした性格で(周囲を)引っ張るというよりも(琴ノ若がいると)和む雰囲気があった」と振り返る。
しかし、ひとたび土俵に上がれば別人に変身したという。「土俵に上がると目つきが変わるので、そこは遺伝で勝負師の血を引き継いでいるのかなと感じていた。負けると悔し涙を流していたから、負けず嫌いではあると思っていた」と土俵の内と外で見せる大きなギャップを明かした。
勝負に対する集中力と負けん気の強さ。一流の力士となるために必要不可欠な要素を、すでに少年時代から発揮していたというわけだ。偉大な祖父と父が持つ〝勝負師のDNA〟は、プリンスの体の中にもしっかりと引き継がれている。
果たして、琴ノ若は看板力士の地位と賜杯を手にできるのか。残り5日間の戦いに注目だ。













