〝じらし封印〟の結末は…。大相撲初場所5日目(18日、東京・両国国技館)、大関豊昇龍(24=立浪)が幕内豪ノ山(25=武隈)に屈して土がついた。豊昇龍は豪ノ山が先に両手をついてから合わせにいったが、一気に寄り切られる完敗。取組後は取材に応じず、沈黙を貫いた。一方の豪ノ山は「前に出る意識で踏み込めた」と会心の相撲を振り返った。

 両者の対戦を巡っては、昨年九州場所で豊昇龍による〝じらし行為〟が物議を醸した。大関は立ち合いで全く手をつこうとせず、仕切り直しの末に勝利。審判部から注意を受け、横綱審議委員会の山内昌之委員長(東大名誉教授)が「はっきり言って見苦しい」と苦言を呈する異例の事態に発展した。しかし、実際には豊昇龍だけに非があるわけではなかった。

 豪ノ山も右手をつく一方で、左手はずっとヒザの上に置いたまま。豊昇龍は相手の意思を測りかね、立つタイミングを逸した側面もあった。こうしたことから、審判部内では「豪ノ山の方も良くなかった。ただ、豊昇龍は大関なのだから他の力士の手本になるべき」との認識で一致。この日は互いに姑息な駆け引きや小細工なしの立ち合いが求められていた。

 そして迎えた「真っ向勝負」の結果は、どちらが大関なのか分からない相撲で豊昇龍が力負け。藤島審判長(元大関武双山)は「豪ノ山は圧力があった。(豊昇龍は)いつの間にか終わってしまった」と評した。豊昇龍は、ここから立ち直ることができるのか。