かつての〝戦友〟の見解は――。大相撲初場所4日目(17日、東京・両国国技館)、横綱照ノ富士(32=伊勢ヶ浜)が幕内豪ノ山(25=武隈)を上手投げで退けて3勝目(1敗)。一方で、横綱自身は本来の相撲を取れないもどかしさを口にした。そうした中、現役時代のライバルだった元大関の栃ノ心氏(36)が本紙の取材に応じ、照ノ富士の現状を分析。完全復活へエールを送った。
照ノ富士が初顔の相手を一蹴した。豪ノ山の当たりを受け止めてから右腕をたぐって横向きにさせ、最後は左上手をつかんで豪快に転がした。ただ、取組後は「立ち合いで踏み込めるかどうか、ちょっと迷いがあった。全然、まだまだですね。どの部分? 全部ですね」と表情はさえない。本来の調子からは程遠いことをうかがわせた。
持病の腰痛の影響で3場所連続休場。調整不足のまま、約半年ぶりの出場へ踏み切った。白星先行で周囲からの〝逆風〟は弱まりつつあるとはいえ、黒星が重なれば休場と隣り合わせ。15日間を乗り切るまでは予断を許さない状況が続く。その横綱の復活を強く願っているのが、昨年5月に引退した栃ノ心氏だ。現役時代は角界屈指の怪力で活躍し、ライバルとしてしのぎを削った。
栃ノ心氏は「(大相撲中継は)忙しくて見る時間がないけど(照ノ富士の)初日の相撲はニュースで見ました。すごく気持ちが入っていたね。体も、だいぶ良くなってる。必死でやってやるという気持ちじゃないですか」と戦友の復帰に安堵の表情を浮かべる。自身の断髪式(2月4日、国技館)の準備やワイン輸入業の仕事で多忙を極める中でも、横綱の動向は常に気にかけているという。
その上で、照ノ富士の現状を次のように指摘する。「(自分と)同じ四つ相撲ですからね。まわし取ったら強いですよ。だけど、昔と比べて最近は四つ相撲が少ないじゃないですか。(対戦相手は)ちっちゃいしね。やっぱり、大きい人から見ると取りづらいんですよ。つかまえるまで、ドキドキする。そこなんですね。ヒザが悪いじゃないですか。つかまえれば、負けないんですけどね」
以前に比べて押し相撲の力士が増えたことで、得意とする組み合う展開が減少。その結果、古傷のヒザへの負担も増していると分析した。それでも横綱の復活を信じるのは、同じ苦労を経験しているからだ。照ノ富士はヒザの故障で大関から序二段まで転落し、その後に横綱へ昇進。栃ノ心氏もヒザの負傷で幕下まで落ち、そこから大関昇進を果たしている。
栃ノ心氏は横綱に向けて「まだ若いでしょ。自分が辞めた年(35歳)までは、できると思いますよ。一緒にやってたから、頑張ってほしいですね」とエールを送った。照ノ富士は、ライバルの期待にこたえることができるか。












