2024年も影響力は絶大だ。フィギュアスケート男子で五輪2連覇を達成したプロスケーター・羽生結弦(29)による初単独ツアー「Yuzuru Hanyu ICE STORY 2nd 〝RE_PRAY〟 TOUR」の佐賀公演が12、14日にSAGAアリーナで開催される。公演を前に、山口大学経済学部の加藤真也准教授らが経済効果を分析。あの国民的ロックバンドを上回る数字がはじき出された。

 一人のスケーターが地方経済を大きく動かす。加藤准教授とゼミ生3人、集中講義に参加した久留米大学経済学部の6人は、約1週間かけて羽生の単独ツアーが佐賀県にもたらす経済効果を調べたところ、驚きの数字が浮かび上がった。

 同じ会場でかつて実施されたアイスショーを参考に、観客数を1日あたり6350人と仮定。グッズ代は首都圏のライブ・エンターテインメント参加者のグッズ購入率や1人あたりの単価をもとに見積もり、約4242万円となった。さらに設営やリハーサルなどの日程を含めて水道光熱費、会場費、仮設リンク設置費などを合算。合計約1億325万円となった。

 さらに、2日間の来場者合計1万2700人が観光で落とす金額を試算した。来場者のうち1割を宿泊客、9割を日帰り客と予測。観光庁のデータから得た宿泊客、日帰り客の平均消費単価を加味して宿泊費、飲食費、お土産代、交通費などを計算したところ、合計額は約1億9467万円に上った。

 これら2項目の数字と佐賀県の指標を用いて推計した結果、経済効果は約4億8700万円。佐賀県の県内総生産を約2億7400万円押し上げ、佐賀県内の雇用者の所得額も約1億4200万円増加させるとの結論も導き出した。

 今回の経済効果の試算は、羽生の所属事務所などに入ると予想される約2億6785万円のチケット収入を除外。それでも、昨年6月17、18日に同会場で開催された国民的ロックバンド「B’z」のライブによる経済効果(3億8600万円=佐賀県試算)を1億円程度上回った。

 加藤准教授は「(羽生の公演が)地域の活性化にも大きな役割を担っていると感じる。県外来場者の『せっかく佐賀県まで来たのだから観光しよう』というように観光客としての追加的な支出も期待できるのでは」と指摘する。ゼミ生の一人も「今回は佐賀県に限定した分析だったが、かなり大きな経済波及効果を与えていることから、羽生選手が日本に与えている恩恵は非常に大きいことが分かる」と驚いた様子だった。

 羽生の影響力の大きさが、改めて証明された格好だ。