【山本昌邦氏が明かす森保ジャパンの内情(3)】日本代表の責任者となるナショナルチームダイレクター(ND)の山本昌邦氏(65)がアジアカップ(12日開幕、カタール)で5度目の優勝を狙う森保ジャパンの舞台裏を語った。直撃インタビュー第3回はライバルとなるサウジアラビアの脅威に迫った。
  
 ――ポルトガル代表FWクリスチアーノ・ロナウド(アルナスル)ら世界トップ選手がサウジアラビアのクラブに加入した。レベルアップして脅威になる

 山本ND(以下山本) やっぱり一流選手、世界トップレベルの選手が集まり、すごいFWも入って来ましたから。それはサウジアラビアのDFは成長するでしょう。それにサウジアラビアはW杯で優勝したアルゼンチンに唯一、勝った国です。優勝国に勝てる力を持ってる国がアジアにいるということを皆さんにもわかっていただきたい。逆にサウジアラビアの方々は日本に勝利することが可能と考えるでしょう。

 ――中東各国も年々レベルアップしている。

 山本 サウジアラビアだけではなく、カタールもイラクもイランも同じ。彼らは身体的な高さや強さもあって、強豪国を相手にカウンターで仕留める力があることを証明している。ゴールを守る守備は組織を整えれば、そんなに難しくないでしょう。ただ日本にもこれまでの経験値がある。しっかり対策している。

 ――アジア最強というプレッシャーはあるか

 山本 選手の経験値によると思う。そこはコーチ陣がマネジメントしていく。どんな大会も初戦が難しい。相手もフレッシュだし、初戦の勝ち点によって2、3戦目の戦い方もかわってくる。初戦が終われば、相手も自チームも、選手のコンディションとか把握もできる。どんな戦い方ももできる? そこは森保(一)監督に聞いてほしい。ただベースは確実に上がっている。

 ――昨年6月から負けなし。予想していたか

 山本 3月に負けましたよ。でも(日本1―1で引き分けた)ウルグアイと(1―2で敗れた)コロンビアの南米予選の成績(現在2位と3位)を見れば、いかに強い相手だったか、わかるでしょう。そういう相手と最初にやって(チーム内の)課題が出て、コーチたちの役割とかも分析して森保監督が整理してくれたんで。6月以降は修正できた。あの3か月は大きかった。

 ――新体制の初陣が後の連勝につながった

 山本 いろいろ経験しないと成長はないし、できなかったことも含めて経験値が上がった。選手を評価するだけではなく、分析したことを実戦させるため、トレーニングに落とし込むかとか。そこを修正していった。3月は1点ずつだったのに、6月以降は平均4点くらい。ペナルティーエリアへの侵入回数などデータにも出ている。必要なことが積み上げられている。

 ――アジアカップへの意気込み

 山本 日本は1992年に初優勝したとき、森保監督が選手で、私は分析担当。2000年に(フィリップ)トルシエ監督で優勝したときのMVPが名波(浩)コーチ、04年はジーコさんが優勝し、11年には(前田遼一)遼一が選手でいたり、つながっているんですよ。92年以前はアジアカップで勝てなかったけど、時代は変わった。日本は4回優勝していますが、5回目の優勝を目指す。難しく厳しい大会だが、日本サッカーの成長を体感して来たスタッフ、選手たちで時代は大きく変わっていると思っている。