大みそかの格闘技イベント「RIZIN.45」(さいたまスーパーアリーナ)で、元レスリング女王の山本美憂(49)が引退試合に臨み、RIZIN女子スーパーアトム級王者の伊澤星花(26)に完敗を喫した。

 レスリングで世界を制した女王は、2016年9月に42歳でMMAデビュー。ここまで13試合を戦い、6勝7敗の戦績を残してきた。当初は5月に伊澤と引退試合を行う予定だったが、ヒザを負傷したため延期となり、大みそかにラストファイトを迎えた。

 息子の山本アーセン、夫のカイル・アグォンをセコンドに就け、笑顔で入場した美憂だったが、1ラウンド(R)開始早々、いきなりギロチンチョークに捕まってしまう。何とか耐えて首を抜くも、多彩な攻撃を持つ現役最強女王を崩せない。2Rにはスタンドの状態からバックに組みつかれると、そのままリアネイキッドチョークで捕獲され、タップを奪われた。

 2R37秒で完敗。勝った伊澤が号泣したのと対照的に、レスリング女王はすがすがしい表情を浮かべた。試合後は引退セレモニーが行われ、榊原信行CEO、アーセンから花束を贈られた。

 美憂は万感の表情でマイクを握り「本当は勝ってリングを下りるつもりだったので、不思議な気持ち。レコード、戦歴的には良くない選手にもかかわらず、ファンのみなさんが毎回変わらず応援してくれた。こんな幸せなアスリートはいない。これからもいろんなことに挑戦したい。本当にみんなありがとう」と、涙を浮かべながらファンと家族、関係者に感謝を述べた。

 18年に亡くなった弟の山本〝KID〟徳都さん(享年41)の遺志を継ぎ、リングに立ち続けた〝鉄人〟は、10カウントゴングを聞いて現役生活に別れを告げた。