大相撲の小結阿炎(29=錣山)が、17日に60歳で死去した師匠の錣山親方(本名福薗好文)への思いを明かした。

 阿炎は17日に大阪・堺で行われる巡業に参加する予定だったが、急きょ帰京した。18日午前、都内にある錣山部屋前で取材に応じ「(体調の急変は)今までも何回かあった。(錣山親方は)鉄人だと思っていたので、師匠なら戻ってくるだろうと願っていたが、かなわなかった。今はただゆっくり休んでもらいたい」と声を絞り出した。

 阿炎にとって、錣山親方は本当の親のような存在だった。「両親も『師匠の子供として扱ってください』と言って、預けてくれた。実際にそう扱ってもらって、たくさんの愛をいただいた。父親のような広い心で僕を守ってくれて、特別な存在だった」と目に涙を浮かべた。

 一番の思い出を問われると、「僕が高校生の時、悪さをして学校に行けなくなった時に見舞いに来てくれて、それで入門への決心がついた。いろんなことがあっても、一つひとつの行動が、この人についていきたいと思えるものが多かった」と振り返った。

 今後の目標については「師匠を超えることぐらいしないと、師匠の名前も自分の名前も世に広まらない。そういう部分でも広めていきたい。誰も忘れられないようにしたい」と力を込めた。