今度は相撲内容に〝ダメ出し〟だ。大相撲九州場所6日目(17日、福岡国際センター)、大関豊昇龍(24=立浪)が大関経験者の幕内高安(33=田子ノ浦)に屈して土がついた。立ち合いから突き押しで前に出たが、高安に回り込まれて攻め切れない。左四つからの強引な小手投げも不発に終わり、最後は小股すくいで土俵に転がされた。取組後は報道陣の取材に応じなかった。
前日16日には5連勝。その一方で、立ち合いの〝じらし行為〟が問題視され、審判部から注意を受けた。この日は相撲でも大関らしさを見せることができずに初黒星。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は豊昇龍の敗因について「小手投げにいったところ。動きながらの投げならいいが、大きい高安を相手に止まっての投げは難しい」と指摘した。
これで、高安との通算成績は1勝7敗(不戦を除く)。相手は元大関の実力者で、豊昇龍はまだ大関2場所目という点を差し引いても、あまりに一方的だ。これでは、いったいどちらが大関なのか分からない。協会のトップも「大関に上がる前の合口が悪くても、(格下に)勝っていかないと上(横綱)は目指せない」と手厳しかった。
豊昇龍は優勝争いでも、首位から陥落。ここで踏みとどまり、地位に見合った役割を果たすことができるのか。看板力士としての真価を問われることになりそうだ。