〝お騒がせ横綱〟と同じ道をたどるのか。大相撲九州場所5日目(16日、福岡国際センター)、大関豊昇龍(24=立浪)が幕内豪ノ山(25=武隈)を下して無傷の5連勝。一方で、審判部から異例の注意を受けた。問題視されたのは、立ち合いだ。豪ノ山が先に手をついて待っているにもかかわらず、豊昇龍は手をつく気配すら見せない。その時間は1分20秒近くにも及んだ。

 仕切り直しの2度目も呼吸を合わせようとせず、館内は騒然とした空気に包まれる。ようやく3度目で立った大関は豪ノ山を押し出したが、その直後には土俵上から相手をにらみつけるしぐさを見せた。取組後はまわし姿のまま審判部へ呼び出され、審判長の粂川親方(元小結琴稲妻)が口頭で注意。今回のようなケースで、しかも大関が指導を受けるのは極めて異例のことだ。

 粂川親方は「ひどすぎる。じらしすぎ。相手は手をついて待っているのだから、合わせないとダメ。横綱大関は力士の手本にならなきゃいけない」と自分本位の立ち合いに苦言。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)も「手をつかなきゃダメだ。やる気がないのか」と不快感をあらわにした。

 一方の豊昇龍は「自分に悪いところがあったかも。(立ち合いは)相手が何を考えているか分からない。自分のことに集中した」と釈明したが…。叔父の元横綱朝青龍は現役時代、ダメ押しや相手をにらみつけるなど数々の問題行動で看板力士としての品格を問われた。かねて角界内では豊昇龍の〝朝青龍化〟を懸念する声もあった中、大関2場所目で早くも不安を露呈した格好だ。