横綱に〝出場勧告〟だ。日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)の定例会合が27日、東京・両国国技館で開かれた。大相撲九州場所は横綱照ノ富士(31=伊勢ヶ浜)が持病の腰痛のため、3場所連続の休場。今年の6場所のうち、皆勤したのは8度目の優勝を果たした夏場所のみという苦しい状況が続いている。

 横審の山内昌之委員長(東大名誉教授)は、この日の会合の内容について「横綱(照ノ富士)の相撲に対する姿勢、稽古や巡業に対する取り組みを踏まえて、横審は健康上の問題を克服して早く土俵に戻ってきてほしいという期待から推移を見守ると申してきたが、来年の初場所はぜひ姿を見せてほしいという期待が、横審の一致した見方として今日は出された。したがって、来年の初場所がもし欠場ということになれば大変残念。横審としてもその時点で、改めてコメントなどを出す方針が申し合わされた」と説明した。

 これまで横審は一貫して「見守る」との方針を貫いてきたが、ここへきて微妙に態度を変化させた格好だ。横審の内規では出席委員の3分の2以上の決議により、横綱に対して「激励」「注意」「引退勧告」を行う場合がある。近年では2018年11月に横綱稀勢の里に対して長期休場や成績不振などの理由で「激励」を決議。20年11月には同様の理由で白鵬と鶴竜の両横綱に対して「注意」を決議した例がある。

 山内委員長は「3つある公の声明(決議)になるのか、一般的な私たちの気持ちを込めたコメントになるのか。それは、まだ決めてません。あくまでも初場所の結果を見て」としながらも「一番大事なことは、大相撲は興行でもある。横綱が土俵入りをする、しないというのは相撲協会、大相撲としての興行で大変大事なこと。横綱土俵入りがないのは画竜点睛を欠く」と長期間に及ぶ横綱の不在を懸念した。