石川県の馳浩知事が17日に都内で開かれた講演で東京五輪の招致活動をめぐり、国際オリンピック委員会(IOC)委員に内閣官房報償費(機密費)を使って贈答品を渡したとの発言した問題は新展開を迎えている。

 馳氏は「NITTAIDAI×自治体フォーラム2023~体育・スポーツ・健康づくり交流で地域を活性化する~」で講演した際、五輪委員会委員105名に1冊20万円のアルバムを全員分作成したと語った後「事実誤認もある発言だった」として撤回した。

 五輪関係者への贈り物や便宜を禁じたIOCの倫理規定に抵触するかもしれない問題は、21日の衆院予算委員会でも取り上げられた。

 立憲民主党の本庄まさし衆院議員は馳氏の発言に「何をどう撤回するのか、一切の説明がありません。馳知事は五輪招致時代は公人でした。委員長、参考人としてこの委員会に招致していただきたい」と要求した。

 これを受けて立憲の安住淳国対委員長は報道陣の取材に「アルバムが出てきたら、機密費の使用が事実になる」と指摘した。

 日本共産党の小池晃書記局長も国会内で開いた会見で馳氏の発言をこう問題視した。

「音声で馳さんの発言を聞きました。完全にでき上がった、まとまったストーリーじゃないですか。どこを撤回するかといったら、全部撤回するというのは説明になっていないですよ。国民は納得するはずはない。機密費という国民の血税を使ったというと、これはきちっと国会の場で明らかにするのは当然、必要になってくる」

 当時、馳氏が自民党の国会議員だったことにも触れ「オリンピックの招致というのが闇に包まれて裏のお金が使われたんだとしたら、これはオリンピックの精神に照らしても重大な問題。国際的な問題にもなりかねない事態だと思いますので、徹底的に解明が必要ではないかと思います」と小池氏は語った。