大相撲の元大関朝潮で先代高砂親方の長岡末弘さんが67歳で死去していたことが、衝撃を呼んでいる。
近大時代からアマチュア相撲で活躍。1978年初場所の初土俵からスピード出世を果たし、83年春場所後には大関に昇進した。85年春場所には初優勝。横綱昇進はならなかったものの、大関を36場所も務めた。土俵上の強烈な突き押しと陽気なキャラクターで、「大ちゃん」の愛称で親しまれた人気力士だった。
引退後には指導者になり、2002年2月から名門高砂部屋の師匠になると、モンゴル出身の朝青龍を横綱に育て上げた。だが、朝青龍は〝お騒がせ横綱〟となり、10年には暴行騒動を起こして引退したため、日本相撲協会から監督責任を問われ降格処分を受けた。それでも朝乃山を大関に育てるなど、21年6月に新型コロナウイルス対応ガイドライン違反で退職するまで角界に貢献した。
かねて、がんを患っていた先代高砂親方は病床に伏して動けない状態が続いており、親族には余命わずかであることが宣告されていたという。一方で、角界関係者によると、前師匠の死去は高砂部屋の関係者でさえ〝寝耳に水〟の話だった。部屋の力士らが死去の事実を知ったのは、今月2日のことだった。
同関係者は「(先代師匠が死去したことは)弟子たちに知らされていなかったそうだ。(部屋頭の)朝乃山はもちろん、朝青龍らにも伝わっていなかったはず。部屋の何人かは『なぜ知らせてくれなかったのか…』とショックを受けていた」と証言した。先代高砂親方の身内が、弟子らに死去の事実を伏せていた理由は定かではない。
ただ、大相撲九州場所(12日初日、福岡国際センター)を目前に控えており、力士らに配慮した可能性もある。いずれにせよ、元大関の朝乃山らにとって、今場所が特別な意味を帯びたことは確か。好成績を残して天国の師匠へ恩返しを果たしたいところだ。












