まさかの見どころゼロ!? ボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(30)が25日に横浜市内で会見し、WBA&IBF同級王者マーロン・タパレス(31=フィリピン)との4団体統一戦を12月26日に東京・有明アリーナで行うと発表した。史上2人目となる2階級での4団体統一という大快挙を狙うモンスターに、死角はあるのか。ボクシング界きっての論客で、元日本スーパーライト級王者の細川バレンタイン氏(42)が注目の大一番を占った。

細川バレンタイン氏
細川バレンタイン氏

 井上は昨年12月にバンタム級で主要4団体の世界王座統一を達成した。今年7月のスーパーバンタム級初戦でスティーブン・フルトン(米国)から2本のベルトを奪取。わずか1年で、テレンス・クロフォード(米国)に続く、史上2人目となる2階級での4団体統一に挑むことになった。

 快挙に向けて、井上は「2階級での4団体統一がかかるデカい試合になります。この先、日本人がたどり着けないであろう場所まで行きたいと思っているので、必ずここは結果を出したいと思います」と文字通りの「前人未到」を目指すことを宣言。その上で「圧倒的な強さを見せて勝ちたいと思っています。KO決着をお見せしたい」と快勝を約束した。

 この会見を受けて、公式ユーチューブチャンネル「前向き教室」での発信も行う細川氏に試合の行方を占ってもらうと…。開口一番、「素直に言いますね。見どころはありません。僕だって盛り上げるために不安とかも指摘したいですよ。でもウソはつけないから。〝ユーチューブ泣かせ〟ですよ」と苦笑いした。勝負論が生まれないほどの大きな実力差があるというのだ。

 井上自身はタパレスの試合映像を見た印象を「上体の柔らかさにディフェンスの良さがあって、思っていた以上に技術の高い選手」とし、タフな精神力も警戒している。しかし、細川氏は「パラメーターがあるじゃないですか。打たれ強さとかスピード、パワー、テクニックとかいろいろ。その全てで井上が勝っていて(レーダーチャートにすると)タパレスのパラメーターはすっぽり入っちゃうんです。(タパレスが善戦するためには)パラメーターの1個でも2個でも勝つか、肉薄していないと…」と分析した。

 さらに、前戦のフルトンを引き合いに「結果は井上のKOで圧勝に見えたかもしれないけど、僕ら(専門家)から見ると、いい勝負だったんです。それは(フルトンに)体格や重い階級での経験というアドバンテージがあったからです」と説明する。その上で「でも、タパレスにはない。だからすぐに終わると思います。井上がいつKOするか、カウントダウンするような試合になりますよ」と予測した。

 もちろん、昨年12月のバンタム級4団体統一戦でKOまでに11ラウンドを要したポール・バトラー(英国)のように逃げに徹すればラウンド数が伸びる可能性はあるが、それでも結果は見えている。細川氏は「ライオンはネズミを狩るのにも全力を出す。そのネズミがライオンに向かっていったところでどうしようもない。だから僕は4団体統一後に興味があります。(ルイス)ネリとか(ジョンリル)カシメロと井上がどう戦うか…」と締めくくった。

 死角なきモンスターの大暴れに期待だ。