Jリーグの野々村芳和チェアマン(51)が、世間を騒がせている2つの問題について見解を示した。
26日の理事会後に会見し、ジャニーズ事務所の性加害問題に言及。「この間の実行委員会でも話をした。当然ながら重大な人権問題だという認識を持っている」と厳しく指摘した。
Jリーグと同事務所の所属タレントが仕事を行った直近のケースとしては、2021年10月のルヴァンカップ決勝で、当時V6の一員だった坂本昌行が国歌独唱した例がある。ただ、同事務所とは「直の取引は現在、Jリーグとしてはない」と野々村チェアマンは強調した。
一方で「今後というところでは、国連の人権理事会の指導方針に合わせながら、いろんな動向を見極めてということになる。特別、どこの事務所とどうということより、サッカーを仕事としている者として、改めて日本の基準以上にグローバル基準に立って、いろんなことを考えていかなきゃいけない」と含みをもたせ、契約を見合わせるかどうかについての明言は避けた。
また、8月2日の天皇杯4回戦・名古屋戦(CSアセット港サッカー場)で浦和サポーターが暴徒化した問題には「サッカーが表現したい熱狂的なスタジアムとか熱烈な雰囲気と、安心、安全は両立できると思う。日本だからこそ、それが両立できる。そこをもう一回、みんなで目指していこうと確認した」と力説。サポーター暴徒化の再発防止を徹底しつつ、安全対策も進める構えだ。
トップが今後の方針を示したが、ともにJリーグにとって難しい対応を迫られる問題となりそうだ。