格闘技イベント「RIZIN」の榊原信行CEO(59)が6月の札幌大会に出場した木村〝フィリップ〟ミノル(29=ブラジル)がドーピング検査で陽性だったと発表し、大きな波紋を呼んでいる。

 これまでもRIZINでは大会ごとにタイトル戦やGPの出場全選手に加え、抜き打ちでもドーピング検査を行ってきた。榊原CEOによると、過去には外国人選手に陽性反応が出たこともあったが、日本国内を主戦場にする選手では初だったという。

 今回の検査結果を受けて6月のロクク・ダリ戦がノーコンテスト裁定になることが決定。さらに契約書に基づき罰金処分と当該試合から半年間、RIZINマットでの出場停止処分が科されることになった。

 榊原CEOは初めて検査結果の公表に踏み切った理由を「RIZINに出る前から(木村が)疑われていたからです。そのまま出てもらうのは無理で、検査をしてもいいか聞いたところ『大丈夫です』というから出場になった。結果をオープンにすることも事前に言ってあった? そうです」と説明。検査結果を受けて「裏切られた思いと残念な思いと。陰性だったら9月(24日)に試合を安保(瑠輝也)選手を含めて考えていた」と話した。

 また、今回の件をきっかけにアンチドーピングを進めるとしつつ「国レベルの問題でもある。僕らが検体を取っても、日本のアンチドーピング機構ではお金を払っても検査してくれない」と指摘。その上で「プロスポーツだったり、アマチュアでもオリンピックにひもづかないスポーツが政府が認める機関で検査をできるようになれば…。一足飛びに僕らが声を上げても動かないと思うので、ほかのスポーツとも連携してあきらめずにやっていかないといけない」と、他競技とも協力して国内のアンチドーピングの検査体制を整えたい意向を明かした。

 また今後も見据えつつ、まずは講習会などで選手やスタッフにドーピングに関する啓蒙活動を行いたいとした。

「MMA(総合格闘技)の方がそういう(アンチドーピングの)意識は高いかもしれない。(検査の厳しい)UFCにひもづいて、上を目指すとあるから。そういう意識を持っている人が多い。ただ、キック界で『ドーピングが』と叫ばれることは少ないんですよ。でも、RIZINでやる以上はキックもそういう意識で」。格闘技界に新たな流れが生まれるのか。