J1浦和サポーターによる〝暴徒化〟問題が新たな局面を迎えた。日本サッカー協会の田嶋幸三会長(65)は9日、浦和側が否定していたサポーターによる暴力行為があったと明言。厳罰が避けられない状況となった。今後は浦和側も対象者への追加処分を行う見込みだが、再び〝大甘処分〟ならスポンサー離れが起きて経営危機に発展する可能性もありそうだ。

 今回の問題は、2日に行われた天皇杯4回戦の名古屋戦(CSアセット港サッカー場)で発生した。0―3と惨敗後に数十人規模の浦和サポーターが暴走して、立ち入り禁止エリアに侵入したり、相手サポーターのもとに突進してもみ合いになるなど〝暴徒化〟。警察官50人や救急車まで出動する大騒動になった。

 深刻な事態を受けて浦和は3日に当事者への処分を発表。立ち入り禁止エリアへの侵入を主導したサポーター31人に浦和の出場試合9試合への入場禁止、立ち入り禁止エリアへ侵入したサポーターを統括するリーダー1人に同16試合への入場禁止、立ち入り禁止エリアへ侵入したサポーター45人を厳重注意とした。

 この処分が甘すぎるとの指摘も出たが、浦和は5日に田口誠代表取締役社長と須藤伸樹マーケティング本部長が会見を開き、ガイドラインに則った処分と説明。暴力行為は見当たらないことを理由とした。その一方で、サポーターによる警備員に対する暴力行為などが映し出された動画がSNS上で拡散し、波紋が広がっていた。

 田嶋会長は、浦和側が否定していた暴力行為の有無について「ビデオを見た中で、それに相当するものがあるとは(報告が)上がってきている」と明かし「集団的に威圧することが、どれだけ人を恐怖に陥れることになるか。安全、安心が損なわれるようなものになるとすれば、毅然と我々も判断しなければならない」と厳罰の可能性も示唆した。

 今後は協会から違反行為の対象者や浦和にも処分が下される見通しだが、注目されるのは浦和側の今後の対応だ。「レッズは当該サポーターに対して極めて厳しい姿勢で臨まなければ、暴力的なイメージを払拭できない。対応を誤ればスポンサー離れは避けられないし、経営にも大きな影響が出るのでは」と大手広告代理店関係者は指摘する。

 浦和は暴力行為などがあれば追加処分もあるとしており、その内容がクラブの命運を左右することになる。違反行為があったサポーター全員の永久出禁や自主的に開催試合を無観客にするなど厳格な姿勢を内外に示す必要がありそうだ。

「自浄作用があるのか問われることになる。そこは日大の問題と同じでしょう」と同関係者。長年築き上げてきた〝浦和ブランド〟が失墜危機に直面している。