日本相撲協会は23日、東京・両国国技館で理事会を開き、陸奥部屋の幕下以下力士が弟弟子に対して暴力行為を行ったことに関する処分を決定。師匠の陸奥親方(64=元大関霧島)を「報酬減額20%、3か月」の懲戒処分とした。陸奥親方は協会の実質ナンバー2にあたる事業部長を辞任。引き続き理事にはとどまる。加害者力士はすでに現役を引退しているため「引退勧告相当」であることを確認した。
相撲協会の賞罰規定では、懲戒の種類と程度は重い順に「懲戒解雇」「引退勧告」「降格」「業務停止」「出場停止」「報酬減額」「けん責」と定めている。
協会の発表によると、加害者Bは弟弟子Aが普段から洗濯などの部屋の仕事を行えず、口頭で指導しても改善が見られなかったことから、Aのほおを握りこぶしで殴るなど暴力を繰り返していた。昨年暮れの陸奥部屋の大掃除の際には、AがBの指示とは異なる片付けをしたことに腹を立て、Aの背中や脚を縄跳び用のロープで数回叩いたほか、わき腹を握りこぶしで数回殴打する暴行を加えた。今年の年明けにも部屋のちゃんこ場において、Aのほおを手拳で複数回殴打した上、左大腿部に2、3回ヒザ蹴りを加えたという。
その上で、陸奥親方については「師匠としてBを監督すべき立場にあるから、暴力禁止規程の『監督すべき立場にあるのに監督を怠った』との懲罰事由に該当する」、Bについては「自ら引退届を提出したため懲戒処分の対象とはならないが、引退勧告相当の処分案を示すことが妥当と判断した」と結論づけた。
一方で、今回の一件を巡っては相撲協会内で対応の遅れも目立った。力士AがBによる暴力被害を師匠の陸奥親方に最初に訴えたのは今年の1月上旬。処分の決定に至るまでに半年近くを要した。Aが被害を申告した初期の段階では、陸奥親方から報告を受けた花籠コンプライアンス部長(元関脇太寿山)が「兄弟げんかみたいなものだろうから、まずは部屋で対処するように」と指示し、八角理事長(元横綱北勝海)への報告もしていなかった。
この日の理事会内では、週刊誌の報道が先行したことに対して疑問の声も上がったという。芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「週刊誌に出たということで、そういった問題については、しっかり対応していかなきゃいけないという意見はあった。こういうことが起きた時には迅速に対応していく」と説明した。












