【第8回 ハッとして、テストステロン!】

 いつでもどこでも「テストステロン」というワードをキャッチする自称・男性ホルモン研究家の熊本美加です。今年のGWに「仙台うみの杜水族館」に行った際、大きな水槽の中を気持ちよさそうに泳ぐスナメリの真っ白で愛らしい姿に夢中になりました。シロイルカとよく間違われますが、鯨類の仲間です。

 そんな中、水槽の横にあった看板になんと、「スナメリが定期的に血中テストステロンを調査」との文字を発見。「なぜ? スナメリがテストステロンを?」と興味津々。仙台湾にも生息しているスナメリはまだ謎が多く、さまざまな研究を行っていて、性成熟の調査で、血中テストステロン値とエコーで精巣の大きさを定期的に測定しているんですって!「確かに、クジラは哺乳類だもんね~」とヒザをうった次第。

検査を受けるスナメリ(仙台うみの杜水族館提供)
検査を受けるスナメリ(仙台うみの杜水族館提供)

 人間の男性でも病院で血液検査を受けたがらないのに、スナメリにどうやって検査を受けさせているのか? 同水族館・飼育企画担当の齋藤康秀さんに疑問をぶつけてみると…。

「水槽の上に浮かび上がって検査を受けてくれるよう、ご褒美にごはんをあげながらトレーニングを続けて、ようやく1か月に1度のペースでデータを集められるようになったのです。ですがクジラは自分でも超音波を発していますので、エコー検査に戸惑うこともありました。検査は2017年から継続しており、年に2回ほど発情期がみられますが、その際はテストステロン値が上昇し、精巣も大きくなります」

 大水槽でいろんな魚や飼育員のダイバーさんと過ごすのはスナメリには快適環境なのです。n=1のデータなのでまだ詳細な分析結果はないとのことでした。

 このように繁殖のために、水族館や動物園では約20年前からホルモン値の測定検査を行っているところが増えているそう。実に興味深い! 人間も動物。1か月1度の頻度は難しいですが、「健康長寿のためには、人間ドックで1年に1回テストステロン値を測るべき!」と亡き父が主張していたことを思い出しました。

 ◇くまもと・みか 医療ライター。男性医学の父・熊本悦明の二女。男女更年期、性感染症の予防と啓発、性の健康についての記事を主に執筆。2019年に山手線内で心肺停止で倒れた経験から、救命救急、高次機能障害、リハビリについても情報発信している。著書に「山手線で心肺停止!アラフィフ医療ライターが伝える予兆から社会復帰までのすべて」。