神奈川・川崎で起きた時計店への強盗致傷事件で、あまりに稚拙な実行犯の手口に驚きの声が上がっている。

 事件は11日午後1時ごろ、川崎市幸区の腕時計などを販売する店に男2人組が押し入り、1人が逮捕され、もう1人が逃走している。逮捕された大阪府高槻市の八木貴寛容疑者(26)は逃走中の男について「名前も知らない」と話していることが12日、分かった。また、県警によると、逃走した男について別の人物が車で手助けした疑いもあるという。

 5月に東京・銀座の高級腕時計店に仮面をかぶった男らが強盗に入り、計3億円相当のロレックスを盗んだものの、逃走中に逮捕された。高級腕時計店での強盗の成功率の低さ、換金の難しさはニュースでさんざん報じられた。当初は闇バイトとみなされていたので、闇バイトはハイリスク、ノーリターンであることも報じられた。

 元暴力団関係者は「わざわざ大阪から遠征して、真っ昼間に強盗をやったのは、やはり闇バイトに応募してしまい、『家族に危害を加える』と脅されて仕方なくやったのかもしれません。実行役が自分たちだけで発案するとしたら、遠征はしません。関西にも店はたくさんあるんですから。店を指定した黒幕がいるということでしょう」と語る。

 今回の強盗は銀座以上にずさんで、奇妙な点があるという。

「被害に遭ったのはビンテージウオッチ専門店で、メインは手の出しやすい価格帯で、最高でも数百万円です。ビンテージものは欲しい人にとってはたまらないですが、換金できないし、換金してもいくらにもなりません。リスクが極めて高いうえ、リターンがない犯行です。暴力団などが黒幕だとしたら、カネにならないことは分かっているはず。今回は暴力団でも半グレでもない、見よう見まねのシロウトの黒幕としか思えません」(同)

 八木容疑者のものと思われるSNSには、細身で穏やかそうな写真が投稿されていた。また、プロフィルでは大学を卒業後、社会人3年目だという。自発的に強盗に走るとは思えず、やはり闇バイトに応募してしまったのか。その闇バイトを募集する元も、組織立った犯罪グループではないのかもしれない。