盗聴行為などで違法に個人情報を収集したとしてタブロイド紙デーリー・ミラーなどを運営するミラー・グループ・ニュースペーパーズ(MGN)社を訴えていたヘンリー王子が、現地時間6日にロンドンの高等法院に出廷して証言を行った。王室は政党政治に関与しないという慣例を破り、王子は英国政府と報道機関の両方が「どん底」にあると主張した。

 ヘンリー王子は英国政府の閣僚らは、政府に対する好意的な報道と引き換えに既得権益を守るため、マスコミと協力していると糾弾した。つまり両サイドの「癒着関係」を批判したわけだ。裁判は約6時間にも及んだという。

 王子は「我が国は、報道機関と政府の状態によって世界的に評価されており、その両方がどん底にあると私は信じています。報道機関が政府を精査せず、政府の責任を問うことを怠り、代わりに政府が現状を維持できるように政府と癒着した場合、民主主義は崩壊する」と厳しい口調で糾弾。さらには「私がタブロイド紙やその一部が嫌いだからではなく、報道関係者であることに伴う特権を悪用する人々の責任をきちんと追及するためだ」と証言した。

 その一方で、盗聴されたという主張について、具体的な証拠を示すことはできず、MGN側の弁護士から「臆測ではないか」と詰め寄られる場面が何度も見られた。回顧録「スペア」と証言の間に矛盾があることも指摘された模様だ。

 また55ページにわたる証人陳述の中で「卑劣で全く不当」だと主張されたMGN側の元デーリー・ミラー編集者でテレビキャスターのピアーズ・モーガン氏は、英スカイニュースのインタビューで、王子と妻のメーガン妃から「恐ろしい個人攻撃と脅迫の集中砲火を仕掛けられた」と語った。MGNの弁護団は「歴史的な不正行為が行われた場合、我々は認め、全責任を負い、率直に謝罪するが、ジャーナリストが合法的に行動した場合の不正行為の申し立てに対しては、精力的に弁護するつもりだ」と徹底抗戦を宣言している。

 裁判は現地時間7日も続き、ヘンリー王子は再び証言台に立つ予定だ。