秩序回復だ。大相撲夏場所13日目(26日、東京・両国国技館)、横綱照ノ富士(31=伊勢ヶ浜)が元大関の幕内朝乃山(29=高砂)を小手投げで退け、単独トップを堅守。6場所ぶり8度目の優勝に王手をかけた。取組後は「勝てたことは良かった。あと2日間、しっかりと頑張りたい」と気持ちを引き締めた。

 昨年10月に古傷の両ヒザ手術を受けてから、3場所連続で全休。常に引退と隣り合わせの地位だけに、細心の注意を払って復帰に備えてきた。春場所を休場した理由の一つとなった持病の糖尿病の数値は順調に改善する一方で、今も週に1、2回のペースでヒザの診察と治療を欠かさない。春巡業や出稽古では日々の状態を慎重に見極めながら、関取衆らと番数を重ねて初日を迎えた。

朝乃山(奥)を豪快に投げる照ノ富士
朝乃山(奥)を豪快に投げる照ノ富士

 場所中もかかりつけの医療機関と連携するなど、サポート体制も万全。終盤まで綱の務めを果たしてきた照ノ富士は「復帰に向けて、その日その日で自分ができるベストを尽くしてきた。ここまでは悪くないんじゃないかと思います」とうなずいた。その横綱は場所前にも、周囲に「あと2年はやる」と宣言していたという。目標に掲げる優勝10回へ向けて、気力の衰えは全く見られない。

 横綱不在となった昨年後半は、3場所連続で平幕力士が優勝。番付の秩序が崩壊した。土俵に戻ってきた照ノ富士が、混沌の時代に終止符を打つ。