〝音信不通〟だ。大相撲夏場所(東京・両国国技館)が盛り上がりを見せる一方で、角界内では元関脇逸ノ城(30)の電撃引退が暗い影を落としている。元逸ノ城は今月4日に突然、持病の腰痛悪化を理由に現役を引退。夏場所の新番付で幕内復帰を果たした直後、しかも初日の10日前という異例のタイミングに衝撃が走った。

 同郷モンゴル出身の力士らにとっても、今回の引退は〝寝耳に水〟だった。現役時代はプライベートを含めて最も仲が良かった元幕内貴ノ岩でさえ、全く知らされていなかったという。逸ノ城と同じ飛行機で来日し、ともに鳥取城北高に相撲留学した幕内水戸龍(29=錦戸)も5日目(18日)の取組後に「まだ連絡が取れていない。何で辞めたか分からない。もったいない」と表情を曇らせた。

 逸ノ城と親交があった角界関係者も「何度か電話を入れているが、折り返しもない。いったい、何を考えているのか」と困惑するばかり。「自分から相撲との関わりを避けているようにしか見えない。マゲも自分で切り落としてしまうのではないか」と逸ノ城本人が〝セルフ断髪式〟に踏み切る可能性を指摘した。

 本来、断髪式は力士の相撲人生における最大の節目。相撲部屋にとっても最重要行事の一つだ。ただ、師匠の湊親方(元幕内湊富士)は4日の引退会見で「まだ考えていません」と明言せず。12日に更新された部屋のブログでも「今後のことは未定」としている。

 電撃引退の背景には師弟間の確執もささやかれており、断髪式が行われないとの見方も広がっている。〝モンゴルの怪物〟は、人知れず力士の象徴に別れを告げることになるのか。