卓球の全日本女王・早田ひな(22=日本生命)は、一時代を築いた大先輩の背中を追いかけている。

 4歳から石田卓球クラブ(福岡・北九州市)でラケットを握った早田にとって、1日に現役引退を表明した五輪3大会連続メダルの石川佳純(30=全農)は〝雲の上〟の存在だった。「小学校のころとかは、世界選手権などをテレビで見て応援していた」。しかし、中学、高校と年齢を重ねるにつれて感情に変化が生じた。「やっぱり超えなきゃいけない」。憧れからライバルへ――。全日本選手権などの大舞台で何度も相まみえた。

 石川の壁は高かった。なかなか思うような戦いができなかったが、石川との対戦は一つひとつが大きな財産となった。「石川選手の試合の組み立てや、駆け引きのうまさなど、試合をするごとに学んでいく部分がすごく多かった。同じ左利きとして本当に尊敬している」

 石川にとって現役最後の全日本選手権となった1月の試合では、準決勝で4―0のストレート勝ち。成長した姿を目の前で示した。

 左のエースとして日本の威厳を守り抜いた石川。そのバトンは、早田へ受け継がれる。「卓球界を引っ張ってもらってたのはすごくうれしかったし、さびしい気持ちもある。でも逆に言うと『もう次、私なんだ』って。左利きとして、もっともっと頑張っていかないといけない」と覚悟をにじませた。

 第4回パリ五輪代表選考会全農カップ・トップ32平塚大会初日(6日、トッケイセキュリティ平塚総合体育館)では、準々決勝で長崎美柚(20=木下グループ)を4―2で下して4強入り。連戦続きから「元気かというと、元気とは言えない(笑い)。今日の朝も感じたことないぐらい体調が良くなかった」。苦笑いを浮かべながらも、きっちり勝ち切った。 

 日本の女子卓球界は、平野早矢香氏(38)、福原愛氏(34)、石川と各時代のスター選手がチームをけん引。次は早田が〝チームジャパンの支柱〟となる。