最後まで周りが見えていた。卓球の第4回パリ五輪代表選考会全農カップ・トップ32平塚大会初日(6日、トッケイセキュリティ平塚総合体育館)、早田ひな(22=日本生命)が、準々決勝で長崎美柚(20=木下グループ)を4―2で下して女子の4強入りを決めた。

 最大の山場は2回戦だった。横井咲桜(19=ミキハウス)戦は、3―3で迎えた最終ゲームに5度のマッチポイントを許す展開だったが、絶対絶命の状況でも女王は冷静だった。「ほとんど追いかける状態だったけど、そのミスも全然自分が悪いミスではなかった。うまく勝負をかけることができた」。試合中に感覚をつかみ、自らの持てる力を要所で出し切った。

 パリ五輪の選考ランキングでトップを走るとはいえ、今後も連戦が続くだけに油断はできない。早田が「元気かというと、元気とは言えない(笑い)。今日の朝も感じたことないぐらい体調が良くなかった」と話すように、疲労がたまっているのも事実。しかし、早田は前を向いている。

「みんな多分一緒だと思うので、そこでも勝ち切れる選手に。パリ五輪に行った時に、体調が悪くなっても戦えるように。こういう試合というのは自分の卓球人生の経験として、積んでいかなきゃいけない」と語気を強めつつ「対策して解決してやっていかないと、五輪でメダルを取ることはできない」と言い聞かせた。

 今大会から獲得ポイントが2倍となり、一戦ごとの重要性が増す。「体力は削られているが、いろんな方にケアやサポートをしていただいて、できるかわからないけど、自分自身の100%を出せるようにしたい」。万全ではない中でも、きっちり白星を重ねてみせる。