覚醒剤と大麻取締法違反の罪に問われた女優・三田佳子の次男、高橋祐也被告(43=飲食店経営会社役員)の第3回公判が21日、東京地裁で開かれた。この日は被告人質問で、本人自ら売人やその紹介者について詳しく証言した。

 一昨年秋ごろのこと。高橋被告は「オオヒナタ」と名乗る男を知人に紹介された。

「芸能プロダクションの知り合いのおじいさんが『バーの経営について教えてやってくれ』と一緒に連れて来ました。『バーをこれから出そうと思っているというので…』と紹介されました」

 その紹介者は、高橋被告が「だいぶ昔」のタレント時代、世話になった芸能関係者だそう。ここではA氏とするが、高橋被告は姓名も明かした。年齢は当時70代半ばと聞いていたという。

 オオヒナタについては「身長180センチぐらいで大柄で、入れ墨が入ってます。(年齢は当時)48か50(歳)だったと…。解体業」と説明。オオヒナタが誘い、高橋被告は月1ペースで一緒に酒を飲みに行くようになったが、バー経営ではなく出るのは「金を貸してくれ」という話ばかり。

 よくよく聞いたらヤクザと分かった。その年の冬、居酒屋でオオヒナタは「祐ちゃん、もうやってないの?」と腕に注射を打つ仕草をし、初めて覚醒剤のことを口に。高橋被告は「捕まるのイヤなんで、もうやってないんですよ」と返したという。

 飲み帰りに送ってもらい、自宅マンションを知られてしまうと、オオヒナタは高橋被告の部屋へ押し掛け、金を無心するように。実家の両親に用立ててもらったりもし、高橋被告は1回数万円単位で計十数回貸したが「返してもらったことは一度もない」という。オオヒナタから「いま現金ないから、もっと貸してくれたら(返す)」などと言われるたび、高橋被告は〝困った人だなぁ〟と内心思っていたそうだ。

 昨年7月、高橋被告宅へ突然来たオオヒナタは、金を貸してもらえないと分かると「注射器で覚醒剤のようなものを打ち始めた」という。そして事件当日の同9月24日、部屋に上がり込んできたオオヒナタは「これ買い取ってくれ」とテーブルの上に覚醒剤3袋と大麻などを置き、高橋被告は「お財布の有り金全部だった」という4万5000円を渡すハメに。

「これ持って帰ってくれませんか?」と高橋被告が〝押し売り〟を拒否しても、オオヒナタは無視で部屋をあとに。

 部屋に置いていかれた覚醒剤を結局吸引した理由を、高橋被告は「依存症があるので、目の前にあると強迫観念みたいなので…」と説明。手を出さなかった大麻については「全然欲しくなかったです。20年ほど前以来吸ってない」という。

 高橋被告は、2018年の覚醒剤事件の判決で執行猶予中の身。周囲には保護司や弁護士、両親らが付いている。覚醒剤に手を出す前に、そうしたサポーターの元へ逃げたり、連絡の一本ぐらいできたはずだと検察官が指摘すると「前はクスリ使った時に保護司に相談したんですけど、今回は考える間もなかった」と弁解した。

 裁判長が追及したのは、オオヒナタがヤクザと分かった時点で周囲に助けを求めなかった理由だ。高橋被告は「恐怖でできなかったです。生半可な話(相談)だと彼(オオヒナタ)が襲ってくるんじゃないか…」と答えた。

 ただ高橋被告、オオヒナタを紹介したA氏に対しては「(文句を)少し言いました。『あの人、なんか良くない人じゃないですか?』と…」。しかしA氏は、自分もオオヒナタを土建業者だと思っていたと言い「あ~ゴメン」と謝るだけだったという。