作家でタレントの紗倉まな(30)が3年ぶりとなる恋愛小説集「ごっこ」(講談社)が話題を呼んでいる。ままならない恋愛と創作秘話を単独インタビューで大いに語ってもらった。

創作秘話を明かした紗倉
創作秘話を明かした紗倉

 ――なぜ今回は「恋愛」がテーマになったのか

 紗倉 実はずっと(別のテーマで)書いてはいたんですけど、形にならなかったり、完成させてもOKを出してもらえなかったり行き詰まっていて。落ち込んでいるときに(担当編集者に)「良かったら息抜きに恋愛小説を書いてみませんか?」と言っていただき、今まで家族とか仕事とか性についてのテーマが多かったので恋愛だけの縛りで書くのはとても新鮮でした。

 ――紗倉さんの小説に出てくる人物はいつも「癖がすごい」というか思索的なところがある

 紗倉 人を描けないと物語が進まないと思っているところはあります。でも、書きたいことを書きたいがゆえに人を使いすぎてしまったり、自分が言いたいことを言わせてるだけではダメだと実感することも多かったです。人を描くのは難しいなと…。

 ――収録作「はこのなか」では女性同士の恋愛、もしくはそれに類似した関係性が描かれている

 紗倉 お互いに(好意を)意識し合っているけど、主人公の戸川が一方的な恋情を募らせている感じですね。私の中でも女友達に対して恋人に向けるような所有欲めいたものを感じたことがあって、同性同士で付き合っているわけではないけど、恋人みたいに仲が良い関係はあるよなって思います。それこそ男の子からは理解しがたい関係で「付き合ってるの?」って質問されたこともあります。

 ――たまに手をつないで歩いている女子高生とか見ますよね

 紗倉 いますね。恋愛の端くれというか、「恋愛」の「恋」にもたどり着けていない感じ。しかも、その人を好きでいる自分が好き、と酔っているところもあって、一種の“恋人ごっこ”なんだと思います(笑い)。

 ――セクシー女優という職業柄、ギャルになったり、ナースになったりさまざまな「ごっこ」を体験してきたが、同時に「ごっこ」であるからこそ紗倉さん自身が「ごっこ」よりも人を縛りつける“らしさ”の外側の存在でいられるとも言えるのでは?

 紗倉 ほんとそうですね。演じることって「ごっこ」ですからね。“らしさ”に縛られていないならうれしいです。私は「セクシー女優らしい」とか「作家らしい」と言われることが恥ずかしくて、例えばプライベートだと露出が多い服は選ばないんです。でもそうすると今度は「カッコつけやがって…」と“らしさ”を押しつけられることもあって、“らしさ”を意識しすぎるとお互いに面倒くさいことになる気がします。

紗倉の考える恋愛のカタチとは
紗倉の考える恋愛のカタチとは